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2025.02.03 14:15

世界のトップリーダーを魅了。CSK・セガ グループ総帥 大川功氏の交友マジック

Getty Images

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CSK・セガ グループ総帥の大川功氏(2001年没)は当時、日本を代表するIT分野の起業家であり数千億円の資産を持つ投資育成家として、世界的に知られていました。筆者は大川氏に、社長付・会長付等として1995年から1998年まで、そしてグループを退職して多少の間、米国出張への同行など自発的に無給で仕えました。大川氏からは、人の大切さと人とのつながりについて大いに学びました。

国も自治体も声高に「スタートアップ」の振興を唱え、「ユニコーン」「グローバル」といったキーワードも目立つ今、今でいうユニコーンを次々つくったカリスマ実業家であり、伝説的な世界のトップリーダーとの縁をつくりその縁を育んだ、大川氏のいわば「縁結力」とも言える才覚と行動について、エピソードを交えて紹介します。

米国のトップリーダーにドアを開ける


ネットワーク機器で台頭した米国シスコシステムズ。つながりを強めるため、大川氏はシスコの上場株式に100億円ほど投資し、ジョン・チェンバーズCEOから来日時の食事会で隣の席に招かれる関係となりました。CSKとセガは、日本シスコシステムズの株主となり、CSKはシスコの主要パートナーの一社となりました。これは、お金を思い切って投じる決断力を活かした一例です。
CSK創業者大川功氏

CSK創業者大川功氏(大川ドリーム基金のホームページから引用)

マイクロソフト共同創業者ポール・アレン氏がいっしょにどうかと共同投資に声を掛けるとき、日本では真っ先に大川氏でした。筆者は、アレン氏紹介の、バイオインフォマティクスのベンチャー企業への投資案件を担当しました。デューディリジェンスを行い、大川氏に報告しましたが、あくまで筆者のフィーリングですが、大川氏は反対なければ投資しようという印象で、スグに投資となりました。

マイクロソフト共同創業者ポール・アレン氏

マイクロソフト共同創業者ポール・アレン氏

後日、エグジット(株式売却)の報告をしたとき、結果を聞く前に、損したか?という言葉。儲けを報告すると、おぅそうか、と。

大川氏は、ドアは軽く開けておく、と以前から言っていました。断ってばかりでは、話が入ってこなくなる、だからゆるさも必要。アレン氏案件については、そういうスタンスだったと思います。また、インナーサークルと最近よく言われますが、キーパーソンとつながるとよい案件に恵まれるということが、よく分かりました。
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