
クリニック開業メディア「メディマド」は、全国の20代から60代の男女106人を対象に「病院・クリニックのキャッシュレスに関するアンケート調査」を実施した。キャッシュレス決済の薬局は増えているものの、クリニックはいまだに現金のみという印象がある。この調査では、直近にかかったクリニックの決済方法が現金だったという人が88.7パーセントにのぼった。クレジットカードも47.2パーセントと比較的多かったが、QRコード決済や電子マネー決済は非常に少ない。

知らずにかかった人は、会計で「今どき現金のみ?」とビックリするだろう。実際、キャッシュレス非対応で不便に思った人は66.1パーセント。具体的には、支払い時間が長く感じられたという意見がもっとも多かった。また、ATMにお金をおろしにいった、家に財布を取りに帰ったという人もいて、慌てた様子が見てとれる。

現金支払いのみのクリニックが多いのはなぜだろうか。クリニックの診療報酬は法律によって厳格に決められているため、クレジットカードや電子マネーの運営業者に支払う手数料の捻出が難しいのかもしれない。連日、満杯の待合室を抱えて昼休み返上で診察を続けているような個人病院の場合は、経営者である医師がそこまで考える余裕がないとも想像できる。患者の多くが高齢者でキャッシュレス決済に不慣れだから、あえて現金払いにしている、なんていう話も聞いたことがある。

しかし、キャッシュレス決済にしてほしいと願っている患者は85.9パーセント。いまや、若者も高齢者も関係なくキャッシュレスの時代なのだ。さらに、病院やクリニックを選ぶときに、キャッシュレスで支払えるかどうかを考慮する人は40.1パーセントもいる。

キャッシュレスになれば、会計の待ち時間も短縮されると考える人が多いようだ。さんざん待たされて診察を受けて、やっと帰れると思ったら今度は会計で待たされる。せめてそこが解消されたらと思う気持ちはわかる。しかし、それは複雑な診察料の計算に時間がかかるためで、そこを改善しないかぎり会計待ちの時間を縮めることは難しい。できるならば、キャッシュレス化にともない医療事務をDXすれば、八方丸く収まるように思う。先生、どうかご一考を。
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