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2025.01.16 17:00

ビットコインが再び「10万ドル台」回復、インフレ緩和と新政権への期待で

Shutterstock.com

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ビットコインの価格は米国時間1月15日、米労働省が発表した12月の消費者物価指数(CPI)が堅調に推移したことや、トランプ次期政権による規制緩和への期待の高まりの中で10万ドルを回復し、9万ドルを割り込んだ直近の急落から立ち直った。

世界で最も価値のあるデジタル資産であるビットコインの価格は、TradingViewのデータによると、米東部時間15日午後3時30分頃に10万700ドルを超えた。その後は一時、9万9500ドルにまで下落したが、再び急上昇し、午後7時頃に10万ドル台に乗せた。

アナリストたちは、この上昇の背景に、15日のCPIの発表を受けてリスク資産への需要が高まったことや、20日に予定されるトランプ次期大統領の就任式が暗号資産に追い風を与える可能性を指摘している。

資産運用会社ガーバー・カワサキのブレット・スィフリングは、「直近のビットコイン価格の上昇は、CPIの発表が引き金となったように思える」とコメントした。彼は、労働省が発表した12月のCPIが前月比で0.4%上昇したことに言及し、「インフレの動向が落ち着いて推移していることが示されたことで、これによりFRBがより緩和的な姿勢に傾くとの投資家の期待から、リスク資産を買う動きが強まった」と語った。

「ただし、この見方は、10日に発表された力強い雇用統計と矛盾している。投資家は、この2つの報告を踏まえ、2025年に利上げが一時停止することを期待している」とスィフリングは付け加えた。

デジタル資産のデータプロバイダー、Amberdataのグレッグ・マガディニも、これらの経済統計に言及し、「12月のFOMC以来、金融環境が米国のリスク資産やビットコインの最大の重しとなってきた」と指摘した。彼は、15日に発表されたコアCPIが前月比0.2%の上昇で、上昇幅が予想の0.3%を下回ったことに言及し、「直近のインフレ環境はそれほど深刻ではないように見えた」と続けた。

「これらのマクロの展望と20日のトランプの就任式への期待が重なったことが、暗号資産に追い風を与え、ビットコインは10万ドル台に回復した」と、マガディニは述べた。彼は、デリバティブ市場の動向にも言及し、「現状の価格帯は、オプション取引を行なう投資家にとって魅力的であり、デリバティブ取引所のDeribitでは、ディーラーの在庫が10万ドル付近に集中している」と指摘した。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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