経営・戦略

2025.01.31 15:15

「日本に対する世界の関心」は本物 成功したグローバルイベントの舞台裏

山田家11代目長光と12代目名月による基調講演「370年の永続と革新の智慧」

メディア学者の伊藤穰一氏による基調講演「日本の変革のロードマップ」

メディア学者の伊藤穰一氏による基調講演「日本の変革のロードマップ」

そして本番のサミットをデザインする上では、全体のフローとセッションの革新性を念頭に置きました。
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初日は「和光太鼓」のダイナミックな演奏で時差ぼけの参加者の目を覚まし、高円宮憲仁親王妃久子殿下による気品と威厳あるウェルカムスピーチ、伊藤穰一氏による「日本の変革のロードマップ」、山田長光氏と次世代の名月氏による「370年の永続の智慧と革新」で日本社会とファミリービジネスや文化を見渡しました。その後11カ所に分かれ、都内のファミリー企業を訪問しました。

2日目からも、任天堂創業家の山内万丈氏の「ファミリーオフィスを立ち上げた理由」や、九重龍二親方による「2000年の時を超えた相撲」など、「伝統」「革新」「永続性」を柱に展開しました。

参加者は長期的な視野での経営や、伝統を守りつつ時代に合わせた変化への柔軟性、高い品質基準と職人精神などが日本のファミリービジネスのユニークさだと評価していました。
ガラディナーのペアリングを提供したSake Hundredの生駒龍史社長と

ガラディナーのペアリングを提供したSake Hundredの生駒龍史社長と

欧米の慣習に迎合せず、日本式を貫いたことも参加者の満足度を高めました。参加者が最も楽しみにしているガラ・ディナーは、北から南までの食材を広く使って日本を旅する感覚の「食のジャーニー」を八芳園の料理長と組み上げました。
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アルコールも日本酒に限定し、Sake Hundredのプレミアム日本酒をペアリング。乾杯時には、空のグラスが多く見られるほどの人気でした。本部からは「ワインも絶対に必要だ」という声もありましたが、クレーム覚悟で主張を貫いて正解でした。

日本文化を世界に発信するという熱い思いで活動する若手演者グループ『禮(rei)』の舞台も、伝統の新たな可能性と清々しい未来を感じさせました。
若手演者グループ「禮(rei)」による歌舞伎舞踊「連獅子」

若手演者グループ「禮(rei)」による日本舞踊「連獅子」

過去最高の満足度を獲得

2024年サミットは、終了後の満足度調査で5段階中「非常に満足」が94%と、FBN史上最高の評価をマークしました。それは、会期中にゲストたちから「素晴らしいサミットを楽しませてもらっているよ」と感謝され続けたことでも実感していました。終了後もメッセージやプレゼントが届き、お礼に夕食に招待してくれた人たちもいました。

参加者のなかには、「ガラのために帯の生地を取り寄せてドレスを仕立てた」と、相当に入れ込んできたオーストリア人もいれば、20代のチェコ人女性は「日本の食生活はなんてヘルシーなの! 私たちの食事は油っこくて重くて、帰るのが嫌になっちゃうわ」と話すなど、参加したことで日本の虜になった人もいました。

西洋的価値観に息詰まりを感じ、禅的思想や日本の生活文化に生き方の「解」を求めている若手も多く見受けました。それもそのはず、あたかも西海岸発のように謳われているマインドフルネス、サステナビリティ、ウェルビーイングなどは、古から日本人に根付いてきた生き方です。今こそ欧米に「憧れるのをやめ」、ファミリービジネスオーナーたちに評価された日本人の生き方で、世界を牽引する時でないでしょうか。
FBNグローバルサミット2024のハイライトビデオ

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