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2025.01.15 13:00

パワード義足、AIロボ、焦点が変わるレンズ 社会課題に挑む日本の先端技術、CES 2025レポート

CES 2025に経済産業省によるスタートアップ育成プログラム「J-Startup」の参加企業から31社が集まり出展

革新的なパワード義足/AIロボット開発のプラットフォーム

BionicM(バイオニックエム)は、モーターを内蔵する動力アシスト機能付きパワード義足「Bio Leg」を出展した。今年のCESで見事にベスト・オブ・イノベーションアワードを受賞している。東京大学からのスピンオフとして2018年に起業したファウンダー兼CEOの孫小軍氏は、日常から自身が義足を使っている。Bio Legはヒューマノイドロボティクスの技術を応用して人間の筋肉を再現しながら、滑らかな歩行動作をサポートする。
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パワード義足「Bio Leg」を開発したBionicMの孫小軍氏

パワード義足「Bio Leg」を開発したBionicMの孫小軍氏

孫氏は約2年をかけて開発してきたBio Legを、まずは義肢装具研究の先進国であり、市場規模は43億ドル(約6800億円)以上におよぶとされる米国から展開する。2024年5月には米国の医療保険適用承認も取得した。

ユーザーが違和感を感じない使い心地とデザインに注力したという

ユーザーが違和感を感じない使い心地とデザインに注力したという

孫氏は自然な外観と歩行動作を実現するBio Legを、ユーザーの身体的な負担を軽くするだけでなく、自ら身体を動かしたくなるようなモチベーションの向上にも役立ててほしいと語る。

Jizai(ジザイ)はメルカリで生成AI担当役員を務めた石川佑樹氏が2024年に設立した、汎用型AIロボットの開発プラットフォームを提供するスタートアップだ。CESの会場では6本の脚を備える自走式AIロボット「Mi-Mo」(ミーモ)を披露した。ミーモは搭載するカメラで人間を認識して会話も交わせる。
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Jizaiが開発を進めるAIロボット「Mi-Mo」。ChatGPTを載せて、人との会話もできるコミュニケーション型AIロボットとしての用途を試作してみせていた

Jizaiが開発を進めるAIロボット「Mi-Mo」。ChatGPTを載せて、人との会話もできるコミュニケーション型AIロボットとしての用途を試作してみせていた

同社の事業目的はAIとロボットのテクノロジーをつなぐ架け橋になり、AIロボットの社会実装を推進することにある。ミーモは2025年内にエンジニア向けの開発キットとして提供開始を予定している。AIモデルとロボットのハードウェアはどちらも自由にカスタマイズができる。同社テックリードの大嶋悠司氏は「AIの知見、ロボットの知見を持つ専門のエンジニアが個個のアイデアからAIロボットをより簡単に開発にできるプラットフォームを提供したい」のだとミーモを世に送り出す狙いを説いている。
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編集=安井克至

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