インクルーシブデザインを徹底したスマートリング
CESのメイン会場であるLVCC(ラスベガス・コンベンションセンター)の方にも、今年はリング型ウェアラブルデバイスが数多く出展されていた。その多くが装着するユーザーの健康状態をトラッキング・モニタリングする用途を想定した製品だったが、2021年に創業した米サンノゼのスタートアップLotus(ロータス)は「指に装着するアクセシビリティリモコン」として、リング型デバイス「Lotus Ring」を発売している。
ロータスはアップル、そして電動照明・カーテンのメーカーであるLutronのエンジニアとして活躍してきたDhavel Patel氏が立ち上げた会社。「テクノロジーは手段であり、目的ではない」という信念の元、身体に障害を持つ方々や、怪我等の理由により室内で身体を動かしにくい方々のため、四六時中身に着けていてもストレスにならず、手軽に使える赤外線リモコンとしてリング型デバイスのLotus Ringを開発した。Lotus Ringは人さし指に装着して使う。サイズは3種類。「健康トラッキングに使うデバイスではないため、ある程度ルーズフィットでも問題なく使えることから3サイズ展開に限定した」とPatel氏が説く。使い方はとても簡単で、本体にあるボタンを親指でクリックするだけ。赤外線リモコンに対応するテレビやエアコンと正対して、ボタンをクリックすると「オン・オフ」が切り替わる。壁などに隔てられていなければ、見通し距離約10mまで離れて操作ができる。
身体を動かしづらい方々が、日常生活で最も困るのは照明器具の操作であるというフィードバックを得て、ロータスは米国の家屋で一般的な形状の壁スイッチの上にマグネットで簡単に着脱できる、赤外線リモコン対応のLotusスイッチカバーを開発した。内側に搭載するノブが上下して、壁スイッチを押し込む動作で照明器具を操作するシンプルな仕組みだ。

