舌先で操作するワイヤレストラックパッド
Augmental(オーグメンタル)は2024年1月に米国サンフランシスコで創業したスタートアップ。手脚の運動機能に障がいを持つ人々のために、マウスピース型のワイヤレストラックパッド「MouthPad」を開発する。
Augmentalのタング(舌)・ジェスチャーで操作するワイヤレストラックパッド「MouthPad」
MouthPadは上顎に装着するマウスピースの形をしている。中央部分に搭載する静電容量式タッチセンサーに舌先をあてて、舌でパッドをタップ、スワイプしたり、小刻みに震わせるようなジェスチャーで操作する。接続はBluetooth。パソコンやタブレットの画面を自在に動かしたり、AugmentalのブースではMouthPadから操縦するワイヤレス車いすの試作機によるデモンストレーションも見せていた。ジェスチャー操作の設定は専用のモバイルアプリからカスタマイズもできる。
Augmentalは創業と同時期に出展した24年以来、CESには2度目の参加となった。前回はMouthPadのコンセプトを披露して注目とフィードバックを集めたが、いよいよ今年は北米から商品として販売を開始することから、医療機関や販売店からの関心をイベント出展4日の間熱心に探った。同社のデザイナーであるOscar Rosello氏によると「メディアも含めてとても良い反響を得ている」という。
MouthPadのデザインを手がけたOscar Rosello氏
MouthPadを購入するためにはまず歯科で診察を受けて、歯形の診断書をAugmentalに送る。シリコン製のマウスピースから1台ずつカスタムメイドになるため、想定売価は2000〜2500ドル(約31〜39万円)とやや高額になる。北米では医療保険適用承認を取得する準備も整えている。今年のCESに出たことにより、MouthPadの世界展開にも勢いが付くことを期待したい。