間もなく退陣するバイデン大統領は、過去に行われた世論調査でも相次いで苦戦してきた。米AP通信とシカゴ大学の全国世論調査センター(NORC)が先週発表した調査では、バイデン大統領を「良い」あるいは「偉大な」大統領だと考えている米国民はわずか4分の1にとどまった。この結果は、トランプ前大統領やオバマ元大統領の政権末期に行われた調査の値を下回るものとなった。ギャラップが先週行った別の世論調査では、バイデン大統領は「平均以下の大統領」として記憶されるだろうと答えた米国人は54%に上った。これは、1970年代にウォーターゲート事件で辞任したリチャード・ニクソン元大統領と同等の結果だった。
他方で、ギャラップの分析によれば、共和党のトランプ前大統領やブッシュ元大統領、民主党のジミー・カーター元大統領など、退陣当時は悪い評価を得ていても、時の経過とともに国民の見方が良い方向に変化する傾向があるという。
バイデン大統領は、トランプ前大統領が政権に返り咲く今月20日に任期を終える。昨年の大統領選挙では年齢に対する懸念が高まる中、党内からの圧力を受け、バイデン大統領は7月に撤退を表明。カマラ・ハリス副大統領を後継候補に指名した。だが、同副大統領は7500万票対7530万票という僅差で共和党候補のトランプ前大統領に敗れた。この結果を巡り、バイデン大統領は最近、もし自身が選挙戦に残っていたら「トランプ前大統領に勝っていただろう」と主張した。
バイデン大統領は就任直後から世論調査で苦戦を強いられてきたが、その主な原因は、国民が同政権の経済政策と物価上昇に不満を抱いたことだった。米ABCニュースが運営する世論調査サイト「538」によると、同大統領の支持率が55%を超えたことはほとんどなく、就任後間もない2021年9月から任期終了まで、支持率は常に不支持率を下回っていた。
同大統領のウェブサイトには、自身の主な功績として、超党派のインフラ整備法案と新型コロナウイルス救済法案の可決やインフレ抑制法への署名のほか、連邦控訴裁判所のケタンジ・ブラウン・ジャクソン判事を黒人女性として初めて連邦最高裁判事に指名したことや、大麻の単純所持の罪に対して恩赦を与えたことなどが紹介されている。
米国のLGBT権利擁護団体ヒューマン・ライツ・キャンペーン(HRC)は、バイデン大統領が連邦政府と州政府に同性婚の承認を義務付ける結婚尊重法に署名したほか、出生時の性と自身の認識する性が一致しないトランスジェンダーの人々の米軍入隊を禁じたトランプ前政権の措置を撤回したと評価。また、バイデン大統領が東部ペンシルベニア州のレイチェル・レビン厚生長官を政府の厚生次官補に任命したことで、上院の承認を必要とする政府高官の職にトランスジェンダーを公言する人物が史上初めて就任したことも称賛した。
(forbes.com 原文)


