ウクライナ軍のドローン部隊が11日にソーシャルメディアに投稿した動画には、散弾銃を2丁装着した通称「ウィンチェスター・ドローン」(編集注:ウィンチェスターは有名な連発銃ブランド)が、いつもの任務を行っている様子が映っている。その任務とは、ロシア軍のドローンを、地上のウクライナ兵を攻撃してくる前に空中で撃ち落とすというものだ。
だが、このドローンの操縦士は、飛行ルートの下の未舗装路をひとりで行進する敵の兵士を見つけ、好機を逃すまいとこの兵士にも照準を合わせた。もし交戦場所がウクライナの侵攻先であるロシア西部クルスク州であれば、この兵士は北朝鮮兵だった可能性もある。
ドローンは兵士のほうへ急降下し、散弾銃を発砲する。兵士は当初ドローンの存在に気づいていなかったようだが、いずれにせよ弾は命中しなかったらしい。ドローンは再び近づいていって、もう一度発砲する。兵士が負傷、あるいは死亡したのかは不明だ。映像では、この兵士が身をかわしたか倒れたように見える。
Ukrainian FPV with two shotguns intercepts Russian drones and chases Russian infantryman. pic.twitter.com/VLi3XYQ20w
— Special Kherson Cat 🐈🇺🇦 (@bayraktar_1love) January 11, 2025
ウクライナ軍で使われているFPVドローンのほとんどは使い捨てのシステムだ。擲弾やロケット弾頭を腹に抱えて、目標に体当りして自爆する。FPVドローンの価格は数百ドル程度なので、使い捨てであってもコストは高くない。
それでもウクライナ軍は、国内の工房などで月に10万機以上製造されているFPVドローンについて、1回ではなく複数回の攻撃に使えたほうがいいと考えているに違いない。個々の兵士に向かって突っ込むのではなく散弾銃を放つウィンチェスター・ドローンは、そうした再利用可能なシステムのひとつであり、使い捨て型よりも攻撃回数を増やせるかもしれない。
散弾銃ドローンによる待ち伏せ攻撃にデメリットがあるとすれば、散弾銃は弾が分散する性質上、最も効果を発揮するのが至近距離からの発砲になるという点だろう。地上の兵士を吹き飛ばすには、ドローンは相手に接近する必要がある。しかしその距離では、兵士の携行する武器、とりわけ、接近してくるFPVドローンに対抗する武器として好まれている、同じ散弾銃による反撃に遭いやすいかもしれない。
(forbes.com 原文)