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海外

2025.01.15 08:00

戦争終結後のイスラエルで期待される「スタートアップブーム」

Noam Galai/Getty Images

Noam Galai/Getty Images

2024年におけるイスラエルのスタートアップへの投資額は、世界平均と並ぶ成長を果たしたが、このことは、年間を通して戦争状態が続いていたことを考えると、大きな成果だと言える。

イスラエルの起業家たちは苦境を乗り越える力が驚異的に強く、2025年にはスタートアップブームの到来が予想されている。現地の起業家支援団体、スタートアップ・ネーション・セントラル(SNC)のCEOを務めるアヴィ・ハッソンは、「戦争の終結後には多くのスタートアップが誕生することになるだろう。2025年はテクノロジーセクターとハイテク投資にとって良い年になる」と述べている。

このような楽観論の背景には、ここ1年間におけるイスラエルのテクノロジーセクターに対する投資パフォーマンスが、やや低調だった米国と同水準、欧州よりも若干良好だったことが挙げられる。さらに、戦争が続いていたにも関わらず、2024年はM&A件数が過去最高を記録した。「エヌビディアのような世界の一流企業がイスラエルの技術を高く評価し、スタートアップの買収に数億ドルを投じた」とハッソンは言う。

投資家もイスラエルのスタートアップに関心を示している。例えば、米国のクラウド企業であるBoomi(ブーミー)は、データ統合プロバイダーのRivery(リバリー)を買収した。ハッソンはまた、ブラックストーンがPriority Software(プライオリティ・ソフトウェア)株の過半数を8億ドル(約1260億円)で取得したことに注目している。Priority Softwareは、収益の80%をイスラエルで稼いでいるが、ブラックストーン傘下になったことで、世界中の市場に進出することが可能になる。

2025年も、投資マネーが最も多く流入するのは人工知能(AI)分野になる見込みで、この領域で世界をリードするイスラエルに大きな利益をもたらすだろう。2014年から2023年の間に主要な多国籍企業が買収した米国とイスラエルのAI企業の割合は4対1であり、イスラエル企業の魅力度の高さを示している。

「イスラエルが他国に比べて際立っているのは、サイバーセキュリティやヘルステック、農業向けの実用的なAIソリューションに重点を置き、これらの分野でリーダーと位置付けられていることにある」と、エヌビディア・イスラエルでスタートアップ支援プログラムNvidia Inception Startups Programの責任者を務めるアリック・コルは、SNCが最近公表したレポートの中で述べている。
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編集=上田裕資

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