北米

2025.01.15 15:00

トランプ長男、「選挙への賭け」で有名な予測市場Kalshiの顧問に就任

トランプ次期米大統領の長男のドナルド・トランプ・ジュニア(Photo by Anna Moneymaker/Getty Images)

トランプ次期米大統領の長男のドナルド・トランプ・ジュニア(Photo by Anna Moneymaker/Getty Images)

トランプ次期米大統領の長男、ドナルド・トランプ・ジュニアは1月13日、選挙の結果や天候などの未来の出来事に対する賭けを行える予測プラットフォーム、Kalshi(カルシ)の戦略顧問として同社に参画したことを、X(旧ツイッター)の投稿で発表した。彼は、このプラットフォームが伝統的メディアよりも政治的事柄に対する感度が高いと賞賛した。

トランプ・ジュニアは、13日の投稿で、昨年11月に行われた大統領選の投票日の夜に、家族とともにKalshiを利用して「フェイクニュースの大手メディアよりも何時間も早く勝利を知った」と語り、そのことがきっかけで、「このプラットフォームのミッションに貢献しなければならないと思った」と付け加えた。

KalshiもXの投稿で、トランプ・ジュニアの参加を確認し、彼がプラットフォームを通じてメディアより先に選挙結果を知ったことが、「予測市場が真実を知るための、最速かつ最も強力なツールであることを証明した」と主張した。

このプラットフォームは、選挙の前にトランプ勝利の確率を約55%と予測し、10月にはトランプの勝率がカマラ・ハリス副大統領の勝率よりも高いと予想していた。

トランプ・ジュニアは、自身がKalshiに参加した理由の1つに、このプラットフォームがバイデン政権が起こした訴訟に勝利し、米国で最初の合法的な予測市場になったことを挙げた。

彼は13日の投稿を、次のような言葉で締めくくった。「さて、バイデンがファウチとリズ・チェイニーに恩赦を与えるかどうかに賭けてみよう」

ニューヨークを拠点とするKalshiは、2018年に金融業界で働く2人の共同創業者らによって設立された。彼らはその当時、「多くの金融業界の決定は、将来の出来事に関する予測に基づいて行われているにも関わらず、人々が将来のイベントの結果に対して直接的な賭けを行えるプラットフォームが存在しない」という思いからプラットフォームを立ち上げたという。

Kalshiは、上院および下院の選挙結果に対する賭けを違法に提供したとして2023年11月に商品先物取引委員会(CFTC)が訴訟を起こした。しかし、同プラットフォームは、この訴訟に反論し、控訴裁判所は、CFTCが「選挙への賭けを認めることが、一般の人々が回復不可能な損害を被る」ことを示す十分な証拠を提示できなかったと判断した。

トランプ・ジュニアは、トランプ・オーガニゼーションの執行副社長を務め、最近では父親の2期目の政権において主要ポストの人選に重要な役割を果たしているとされている。彼は、次期政権の役職に就く予定はないと表明しており、11月に保守派の価値観を重視するベンチャーキャピタルである1789キャピタルに参加したことを報じられた。

Kalshiは直近では、バイデンが退任前に誰を恩赦するか、トランプが就任初日にいくつの大統領令を発令するかといった内容を含む賭けを提供している。また、政治関連以外では、ビットコインが15万ドルに達する時期や、1月にニューヨークでどれだけ雪が降るかといった賭けも行われている。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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