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世界37カ国、700万人が愛読する経済誌の日本版

モーニングスター代表取締役社長の朝倉智也氏。
(フォーブスジャパン8月号より)



株式市場というのは非常に流動的で、投資家にとっては誘惑も多いものです。たとえばグーグルやアマゾンのように新たに上昇してくる銘柄が欲しくなるものですし、あるいは手持ちの銘柄が下がれば売りたくなる。しかし、もっとも重要なことは、市場の誘惑に惑わされないことです。
 
チャールズ・エリスの『敗者のゲーム』は、このことを念頭に、いかに感情をコントロールするかを教えています。これにはまず、投資の基本方針を決めること。どれくらいの期間で、どれほど増やしたいのかを、最初に明確にしておきます。若い人であれば、老後の準備資金や子供の教育資金にするなど、具体的な目的を立てるのです。最終的に目的に到達すればいいわけですから、日々の価格の変動に惑わされなくなります。
 
そこで推奨されるのが、インデックスファンドです。投資には大きく分けて、アクティブファンドとインデックスファンドの2つの運用方法があります。アクティブはより多くの利益を出すために的を絞って集中的に投資を行い、市場平均を上回るように運用します。一方、インデックスは、日経平均株価が225銘柄を対象とするなら、その全てに分散して投資し、市場平均と連動するように運用させます。
 
アクティブは一時的には大きく利益が出ることもありますが、はずれてしまった時の失敗も大きい。実際、アクティブファンドの3分の2は市場平均を下回っていて、機関投資家と呼ばれる投資のプロでさえ、継続して平均を上回ることは難しいのです。インデックスは大きな損を被らないぶん、運用のミスが減ってくるので、長期的にみれば成功の確率も上がってきます。
 
テニスのプレイに例えると、ポイントを取るために攻撃的なプレイをしていく「勝者のゲーム」に対し、確実にボールを返し続けてミスをせずに勝率を上げるのが「敗者のゲーム」であり、インデックスはこの「敗者のゲーム」だと、エリスは呼んでいるのです。

『敗者のゲーム』と対照的な手法で運用しているのが、ウォーレン・バフェットです。ロジャー・ローウェンスタインの『ビジネスは人なり 投資は価値なり―ウォーレン・バフェット』を読むと、バフェットは、ウォルト・ディズニーやコカ・コーラなど、本当に価値があると判断した銘柄だけに絞って、集中的に投資して成功したことがわかります。
 
バフェットは、たとえ一時的に株価が下がったとしても、経営者・企業がしっかりとした会社経営をしているのであれば、手持ちの株価を売却することはないという考えを固持しています。
 
運用方法は正反対ですが、エリスとバフェットは、その時その時の相場に左右されないという点で共通しています。いずれの場合も、感情のコントロールが成功につながっています。投資を行う上で、この2冊は必読書と言えるでしょう。バフェットのようにタフな忍耐力を持つのはなかなか難しいことですが、エリスの薦めるインデックスであれば、すぐに実践できるはずです。
            
               
『敗者のゲーム』
チャールズ・エリス/著、鹿毛雄二/訳


初版は1985年。第6版となった今でも注目を浴び続けている。運用哲学の古典として、投資家に読み継がれ、全米100万部超のロングセラーに。2011年には、08年の金融危機を踏まえた改訂版が出版された。(日本経済新聞出版社/1,700円+税)
             
           
『ビジネスは人なり 投資は価値なり―ウォーレン・バフェット』
ロジャー・ローウェンスタイン/著、ビジネスバンク/訳


世界一の投資家、ウォーレン・バフェットの投資哲学と実像に迫る半生記。父との関係や、妻と子供達など家族との葛藤やコカ・コーラを愛飲する日常などにも触れ、人間味あふれるバフェット像が描かれている。(総合法令出版/1,800円+税)

吉田彩乃 = 構成 吉澤健太 = 写真

 

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