ULA売却の可能性
ロケットの開発運用会社であるULA社は、ボーイング社とロッキード・マーティン社との合資会社であり、両社はULAの株式を50%ずつ保有する。かつてライバル企業であった両社は、米国防総省(DoD)やNASAを相手にロケットの打ち上げを請け負い、莫大な利益を上げてきた。 しかし、偵察衛星など米政府系の打ち上げ機会が1997年をピークに大幅に減少したため、両社のロケット部門を統合することになり、2006年にULA社が設立された。
また、2012年以降になると、スペースX社の格安ロケット「ファルコン9」の打ち上げ回数が急速に伸び、同社が政府系衛星も受注するようになると、ULA社の受注率はさらに低減。 その結果、近年ではULA売却の可能性が報じられている。
ULA社の売却先としては、これまでにブルーオリジン社、シエラスペース社などが候補に挙がっている。両社とボーイング社は民間宇宙ステーション「オービタルリーフ」で協働関係にあるためだ。
売却先は「オービタルリーフ」パートナー
ISS(国際宇宙ステーション)は2030年に運用が終了し、翌31年には南太平洋に落とされる。そのため現在米国ではISSの代替機として、3機の民間宇宙ステーションの開発製造が進んでいる。この事業もNASAの支援のもとで民間企業が開発、製造、運用を行い、そのサービスをNASAや米政府系団体が継続的に購入することによって民間ビジネスを成立させる。

