BEAMS JAPANが繋ぐ新たなステークホルダー
「BEAMS JAPANは会社の柱になってきました。海外卸も始めましたし、売上高も順調です。景勝地への出店(BEAMS JAPAN GATE STORE)は出雲、日光、宮島、神戸、 善光寺、舞鶴の6店舗になりました。来春にはさらに増える予定です。景勝地はBEAMSにとって飽和どころか空白地帯。まだまだ出さなきゃいけないですね」(鈴木さん)
BEAMS JAPANの成功は、会社にとって新たな道しるべにもなった。鈴木さんが近年担当したのが、2023年3月発行の『小学生からの都道府県おでかけ図鑑』(BEAMS JAPAN監修、新興出版社啓林館発行)だ。
「教科書などの出版をしている新興出版社啓林館から、社会科の副教材プロデュースの相談がありました。 啓林館の部長さんがBEAMS JAPANのファンで、僕のこともよく知ってくれていて『日本全国を回っている鈴木さんの好きなように提案ください!』と言ってくださいました」(鈴木さん)

「社会科は暗記科目になりがちですけど、いろいろな科目に繋がるすごく大切な科目。小学校低学年がメインターゲットということで、家族で日本全国をお出かけしながら、地理や歴史など日本のことを学ぶ、という本を提案しました」(鈴木さん)
本を開くと「ー日本のまちー絶景セレクション」に始まり、まちの構成や役割をわかりやすく解説。さらに47都道府県一つひとつの基本データや特色を紹介するという、ワクワクする内容になっている。
「現代日本って、幹線道路沿いや駅前は景色が一緒。ですが日本には数えきれないほどのまちがあるけれど、同じまちなんてひとつもない。港町と言っても、漁港、工業港、観光港、はたまた軍港もある。全部のまちに歴史や文化、役割があって、今の日本があるということを一冊に詰め込みました」(鈴木さん)
この一冊は、BEAMSにとってのブレイクスルーにもなった。
「BEAMSは教育関係事業はほとんどやったことがなかったんです。社長から『会社の幅を広げてくれた』とめちゃくちゃ褒められました。BEAMS JAPANをきっかけに、行政やふるさと納税の仕事にも繋がりが生まれ、今までのBEAMSではできなかったジャンル、関われなかった人たちとの仕事を連発できています」(鈴木さん)

「修司さんはいろいろなところに切り込んで、人を巻き込むんです。商談でも『いい場だったな』と、皆さん満足して帰っていかれます。ですが楽しませるだけじゃなくて、人が求めていることを明確に示して、次のステップに進めるように物事を動かす。こうやって良い仕事を作るんだ、とすごく勉強になります」(太田さん)

巻き込む力はいかんなく発揮され、ユニークなコラボレーションを続々と実現させている。
「牛乳石鹸さんと一緒に銭湯文化を発信したり、いいちこさんと焼酎のイベントをしたり。 松竹さんとコラボしたときは『男はつらいよ BEAMS 篇』の特別商品を作りました。寅さんグッズがかなり売れて、今度は『小津安二郎 生誕120周年』をやっています」(鈴木さん)