奥田:私自身が鹿児島で生まれて、その後インドや米国シリコンバレーなどを転々として、特にこの35年間1カ所に留まっていたことがないほど、各地を駆け回ってきたので、そこで作られたネットワークを今回のイベントで全力投入しています。それに負けじと、そこに関わる方々がそれぞれ持つネットワークを網の目のように張り巡らせて、地球全体から多様な人たちを連れてこようとしています。それも草の根で広げていき、その網を名古屋に被せようというイメージで動いています。
また「テクノロジーで地球の未来を切り拓く」というコンセプトは、30年前だったら広く受け入れられていなかったかもしれません。次世代に向けて、地球に、社会に良いことをするのが当たり前だと堂々と言えるようになった時代だからこそできるイベントにしたいと思います。
粟生:私は名古屋を拠点にして5年が経ち、なごのキャンパスの企画運営プロデューサーとして4年前から第2、第4金曜日に名古屋とつながる、名古屋でつながるというコンセプトで「NAGOYA CONNÉCT」というイベントを開催しています。TechGALAでは、さらに名古屋を全国と、世界とつなげていくように、コミュニティをスケールさせていく着火剤になればと思います。

──ずばり名古屋のスタートアップ・エコシステムならではの勝ち筋とは?
奥田:他の地域ではまずCVCから作りましょうと言われるのに比べると、名古屋ではすでに海外でもスタートアップへの投資やM&Aをしているグローバル企業が集積しています。こういった企業がどんな投資やM&Aを通じてグローバルで生き残ってきたかデータを把握することで、日本のスタートアップに足りていなかった点を調べ上げ、どう育成していけばいいか、道筋が作れる場所だと思っています。
事業会社とスタートアップ、行政がスタートアップエコシステムの育成にお金を費やせるというのは大きいなと思います。また、日本でスタートアップの勝ち筋はIPOだと言われていますが、世界を見ればすでにM&Aが主流であったり、長い歴史が持つ会社がスタートアップを支えながら協業していく流れが広がっているので、こうしたモデルケースとなりうると見込んでいます。
また、東京には確かに大きな会社がいっぱいありますが、プロジェクトの立ち上げや投資をしようとする時に、名古屋の場合、ある程度大きな企業であっても、決済者の意思決定が早い感覚があります。そういった地域は他になかなかなく、強みだと思います。
特に地球環境を良くしたり、人間の幸せを生み出したりするインパクトスタートアップの分野では、ファンドとして投資して10年で結果を出さなくてはいけないというスキームとは異なる支え方が求められており、老舗企業が多いこの地域と相性が良いんじゃないかと思っています。
粟生:私は教育者としての立場もあり、愛知県や名古屋市では起業家教育は浸透してきている実感があります。これからは小中高生向けに独自のグローバルな交流プログラムや留学支援をつくっていくことが、次なる未来につながっていくのではと思います。
また、フランスやドイツの産業構造が東海地域に似ており、フランスの重工業からのスタートアップ転換やドイツ・ミュンヘンの自動車産業からの脱却などに学びながら、グローバルとつながり、新しいイノベーションを生み出せるような教育の土壌をつくっていきたいなと思います。今後は未来を担うこどもたちにもTechGALAに参加してもらえるように週末にかけて開催できればと、今から考えています。

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