テクノロジー

2025.01.17 14:15

​​スマホ上での「1450億時間」。エクサバイトの情報消費と『書店』という不図

Getty. Images

ローレンス・レッシグ教授が、受け取った電子メールの処理が追いつかなくなり「電子メールの破綻」を宣言したのは、すでに20年前の2004年(WIRED誌:2004年6月10日記事)、今や、全てのメールやメッセージを読み切れないのは当たり前の時代となり、相手がメールやメッセージを見逃したことを責める人は少ないだろう。
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レッシグ教授でなくとも、すでに私たちは受け取れないぐらいの情報を日々受け取っている。情報消費が追いついていないことを感じる向きも多いと思う。果たして、私たちは、浴びるように降ってくる供給情報量のうち、どれだけを消費情報量として消化し、そのうち、どれだけ有効な情報を得ることが出来ているのだろうか。

少なくとも書店に行くという行為には、情報を取りに行くという主体があり、目的の書籍や雑誌を購入する他、平台でたまたま見つけた本を手に取るなどのセレンディピティー(別のものを探しているときに、偶然に巡り会う発見や幸運のこと)があった。筆者も学校の帰りに書店の平台に並んだ書籍、書架に並べられた新書の背表紙を見て、中身に想像を馳せながら手に取っていた。

田中直史氏、旦悠輔氏——元Yahoo! JAPAN出身リアル書店オーナーも

今の時代、主体的に情報を得て、セレンディピティーから人生に影響を与えるような書籍や雑誌に出会うことは無くなってしまうのだろうか。個人的には危機感を覚えるが、そこに光を差し込もうとしている人たちもいることも確かだ。

長野県の白馬村で、元書店だった物件を共同オーナーとして、自らの手でリノベーションし、「Re:Public(リパブリック)」として復活させた田中直史(たなかなおぶみ)氏、兵庫県神戸市須磨区で小さな書店、「自由港書店」を開いた旦悠輔(だんゆうすけ)氏、東京都台東区の蔵前駅では、クラウド会計ソフトを展開するfreeeが「透明書店」を開いている。
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田中直史氏、旦悠輔氏は、いずれも元Yahoo! JAPAN(現、LINEヤフー)に所属していたという経歴を持つ。デジタル側にいる人たちが、敢えてリアルな書店を立ち上げている。彼らの想い、活動の根源は別のところにあるのかも知れないが、今年は書店を訪問する旅に出てみたい。書店の減少が人生に大きな影響を与えるセレンディピティーの減少にならないように。

文=曽根康司 編集=石井節子

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