健康

2025.01.16 13:15

【シリーズ第二弾】「質のよい睡眠」をとるための、知識よりも大切な5つの体験

Pixel-Shot / Shuttersrtock.com

2 ピアラーニングによる相互学習

支配人同士で「睡眠改善」の成功事例を共有すること。これは体験を言語化して報告することで、自らの行動がより効果的であると認識することができる。ピアラーニングによって、スーパーホテル全体での成果が向上した。
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補足すると、マサチューセッツ工科大学の「グループダイナミクス研究所」の研究では、「平均学習定着率」というものがある。学習内容を理解して覚えるには、もっとも効果が薄いのが「講義を聴く」で5%。最も高いのが「学習内容を教え合う」で90%である。体験はすべて言葉にして共有するのがいちばん良いのだ。

3 睡眠衛生への意識改革

まずは支配人たち自身が、スーパーホテルが顧客に提供している睡眠環境を体験することである。このシリーズの第一回目の記事(https://forbesjapan.com/articles/detail/76056)で紹介したように、スーパーホテルは快眠を提供するため、その最善とされる「湿度」「遮光」「静寂」「枕」「体を締めつけない寝間着」「香り」などを施している。こうした睡眠環境を自ら体験し、その良さを実感することで、行動変容が寝つきの改善につながることを体感してみる。

4 マインドセット

何のために睡眠改善を行うのか、目的を変えることだ。「自分のため」と思うと、後回しにして持続できなくなる。「お客様やスタッフのため」といった目的意識をもつこと。お客様のためにはまずは自分の睡眠を改善して健康にならないと、それは客のためにならないと、すべては連続性のなかにあると認識することで、睡眠改善への動機づけが強まる。

災害救助の現場で、自分をまずは安全にすることで他人を助けることができると考えることと似ている。

5 だめな自分をカミングアウトできる「安全安心の場」の確保

支配人たちは、自由に意見を出し合える居心地の良い環境の中で、自分の課題を率直に告白し、改善に努めるようにする。失敗したことも言うことができ、建前なしの本音で交流することが、実効的な変化を促すのだ。

以上が5つのプログラムであり、4週間後、睡眠に課題を抱える全国の支配人たちの睡眠がほぼ100%という高得点で改善された。
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健康情報やダイエット情報は日常にごまんと溢れている。人間は知識を得ることだけで満足しがちだが、本当に改善をするのであれば、習慣を変える必要がある。習慣を変えるには、日々の行動スケジュールを決めて言語化することが大事だろう。20世紀初頭の著名なアメリカの心理学者、ウィリアム・ジェームズのこんな言葉を思い出す。

行動が変われば習慣が変わる。
習慣が変われば、人格が変わる。
人格が変われば運命が変わる。

スーパーホテルの星山英子執行役員と木村支配人にインタビューをした動画はこちらで。

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