ウクライナのボロディミル・ゼレンスキー大統領は4日のビデオ演説で、ウクライナ軍のオレクサンドル・シルスキー総司令官からの報告を伝えた。そのなかで「きのうときょう、クルスク州のマフノフカ村付近で行われた戦闘で、ロシア軍は北朝鮮兵とロシア空挺兵を含む、最大で1個大隊規模の歩兵を失いました。これははっきりとわかる損害です」と語った。
マフノフカはウクライナ軍が昨年8月につくり出した650平方kmほどの突出部の南東周縁の中間地帯に位置し、一帯では何日も激しい戦闘が繰り広げられている。ソーシャルメディアで共有されている動画には、ロシア側の部隊が村内に進軍し、ウクライナ軍の歩兵や戦車、ドローン(無人機)の攻撃を受ける様子が映っている。
Video from Ukraine's 61st Mechanized Brigade showing artillery (including DPICM) and tank fire and drone-dropped munition strikes on Russian troops in & around Makhnovka, Kursk Oblast. The video was posted on Jan 7, but the file name indicates it's from Dec 29.… pic.twitter.com/HHDvQ15lt5
— John Hardie (@JohnH105) January 8, 2025
マフノフカから南のプリョーホボ村にかけての6.5kmほどの区域は、クルスク戦線で最も戦闘の激しい方面ではない。衝突の回数は、たとえば突出部の北西周縁のゼリョーヌイ・シュリャフ村方面に比べると少ない。
一方で、損害の規模はマフノフカやプリョーホボでの個々の戦闘のほうが大きくなっている可能性がある。先月上旬、北朝鮮軍の計500人以上とされる歩兵が3波にわたってプリョーホボ付近の野原を突撃し、最終的に同村から、100人程度とみられるウクライナ軍守備隊を排除することに成功した。
しかし、たいした支援を受けずに雪原を行進した北朝鮮兵らは、退却するウクライナ軍部隊のドローンや大砲の格好の餌食になった。ウクライナのジャーナリストであるアンドリー・ツァプリエンコは、攻撃に参加した北朝鮮兵の「最大で半数」が損耗した可能性があると伝えている。