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リーダーシップ

2025.01.11 08:00

なぜ中間管理職はコロナ禍以降「6%減少」? それがもたらす問題

Hryshchyshen Serhii / Shutterstock

管理職志願者を待つイバラの道

企業は、「階層のフラット化」へと向かっている。管理職に就くための従来型のルートは、競争が激化し、先が見えないものになりつつある。これによって影響を被るのは、マネージャー志願者ばかりではない。すでに人の上に立っているリーダーとそのチームにも大きな難題が突きつけられるし、ひいては、組織全体に影響が波及していく可能性がある。

中間管理職が減少すれば、キャリアアップを目指す野心的な従業員たちの競争は激しくなるだろう。昇進が難しければ、管理職を目指す人は、数少ないポストを争うこととなり、争奪戦に巻き込まれる恐れがある。そうなれば、職場のダイナミクスががらりと変わる。管理職は、特別に与えられてきた専用のオフィスを失って、部下の働くオープンなフロアに逆戻りさせられるかもしれない。こうした流れは、物理的な職場環境に影響を与えるだけでなく、組織構造のフラット化を象徴するものとなるだろう。

職場のこうした変化は、ベテラン管理職にとっても、若い従業員にとっても、キャリアに対する自分の願望を見直すきっかけになる。勤続年数が長く、何年も会社に尽くしてきたマネージャーは、昇進の先送りや、場合によっては降格という厳しい現実に直面するかもしれない。そうなれば、憤りやきまりの悪さ、裏切られた思いなどを抱き、貴重な人材が転職にチャンスを求める可能性もある。

とはいえ、マネージャー向けの労働市場は飽和状態に近づいていると見られるため、マネージャーの座を失った人が、他社で似たポジションを確保するのは容易ではない。

中間管理職の減少は、組織の有効性や従業員のウェルビーイングにも密接にかかわっている。管理職が減れば、部下を導き、育成するメンターやコーチも減る。それにより、プロフェッショナルとしての成長が阻害される可能性がある。

一方、残された管理職と従業員は、業務量が増えることとなり、すでに職場の危機的問題と化している燃え尽きは悪化していく。UKG傘下シンクタンクのThe Workforce Institute(ワークフォース・インスティテュート)が実施した調査によると、「仕事で燃え尽きたと感じている」と回答したマネージャーは86%と、驚くべき割合に上った。

こうしたことから企業は、管理職層にプレッシャーが増している現状に、すぐさま対応する必要性がある。進化を続ける、課題の多い環境において、人材を支え育成する方法を見つける必要性が浮き彫りになっているのだ。

forbes.com 原文

翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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