アートや美術館といえばまず絵画が連想され、実際に流通量も圧倒的に多いが、KAMUはインスタレーションやモノが大半を占める。「“体感”に重点を置きたかった。大きさや量は人を圧倒できる要素でもあるし、平面は一次元だけど、モノは三次元で見られるから何倍も楽しめる」と林田。KAMU Center_3Fでは、ビビッドな色彩や特装的な造形で世界的に評価される陶芸家・桑田卓郎の作品を、作家固定という形で常設展示する。陶芸はこれまで「工芸」として「現代アート」から区分されていたが、今、その境界が変わりつつある。「陶芸作家が現代アートのなかでどう活躍していくのか。それをお客さんと進行形で見られるのは面白い」。
そんな深掘りする見方もできるが、鑑賞に関してはできるだけ拘束しないようにしている。仕事にも遊びにも忙しい社会で、アートにそんなに時間を裂けないだろうという前提にたってのことだ。
ある作家が「いいアート」についてこう教えてくれたという。「作品が50%のメッセージを与えてくれて、25%は観客が展示室で感じ、残り25%は観客が日常に戻ったときに作品を思いだして感じられるもの」。
そう考えると、歩いて展示を回るのは街にいいばかりでなく、見たもの消化・吸収にもちょうどいいのだ。


