ウクライナ軍参謀本部の発表によると、クルスク州のベラヤ村付近に設けられた第810海軍歩兵旅団の指揮所に7日、「精密攻撃」が行われた。使われた弾薬は不明だが、ベラヤはウクライナ軍が昨年8月につくり出した650平方kmほどの突出部の中心地であるスジャ町から、南東へ30kmほどしか離れていないので、候補はいろいろ考えられる。
たとえば、米国製高機動ロケット砲システム(HIMARS)から発射される誘導ロケット弾やATACMS短距離弾道ミサイル、軍用機から投下される米国製やフランス製の滑空爆弾、同じく軍用機から発射される英国製やフランス製の巡航ミサイル、あるいは重攻撃ドローン(無人機)などだ。ロシアがウクライナに対する戦争を拡大して2年10カ月半経過するなか、ウクライナは多種多様な縦深打撃兵器を擁している。
苦境に立たされている第810海軍歩兵旅団は、こうした火力を偏って多く浴びている。ウクライナ軍は昨年12月25日、スジャの北40kmほどのリゴフ市に設けられた同旅団の別の指揮所も攻撃していた。
この攻撃の直後、第810海軍歩兵旅団は突出部北西周縁の前線から離脱し、突出部の南東の外れにあるプリョーホボ村に移動して短期間の休息に入った。
定員2500人ほどの第810海軍歩兵旅団にとって、必要な休息だった。第810海軍歩兵旅団と、クルスク反攻の姉妹旅団で悲惨な過去をもつ第155独立親衛海軍歩兵旅団は、突出部に対して2カ月にわたって突撃を繰り返してきたがおおむね失敗し、ひどく消耗しているからだ。
ウクライナのシンクタンク、防衛戦略センター(CDS)のレポートによると、ウクライナ軍は3日にも、突出部北端のポグレブキ村周辺で第810海軍歩兵旅団による攻撃を撃退した。同旅団は昨年11月以来、ポグレブキ方面に400人規模の大隊少なくとも2個を投入しているものの戦果に乏しく、損耗ばかりが目立っている。
CDSによるとウクライナ軍は同日、リゴフの西にあるイバノフスコエ村に集結していた第810海軍歩兵旅団の部隊に対するミサイル攻撃も行った。同旅団に対してはクルスク州のほかの場所でも繰り返し攻撃を加えているだけに、この攻撃はほとんど不要とも思えるほどだ。
Earlier today, Ukrainian forces conducted a highly successful HIMARS strike on a large gathering of Russian soldiers from the 810th Naval Infantry Brigade in Ivanovskoe, Kursk Oblast.
— OSINTtechnical (@Osinttechnical) January 2, 2025
Russian channels report heavy casualties, complaining of systematic Ukrainian targeting. pic.twitter.com/60f8zDhZJX