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2025.01.10 08:00

「左様でございます」の意味とは?ビジネスシーンでの使い方と類義語・言い換え表現を例文付きで徹底解説

「左様でございます」の意味とは?

「左様でございます」とは、「そうです」「そういうことです」といった意味を、より丁寧かつ改まった敬語で表現した言い回しです。 もともと「左様」は「そのように」という言葉にあたり、「左様でございます」は「相手が述べた内容を受けて、まさにそのとおりです」「そういう状況だと承知しました」というニュアンスを示します。 ビジネスやフォーマルな場面で、相手の発言や確認事項に対して「そうですね」と答えるよりも、さらに敬意を込めて答える場合に使われる表現です。

接客業やホテルスタッフなど、お客様に接する仕事では「はい、左様でございますか」といったかたちで、相手の言葉を復唱しながら確認や同意を示す場合がよくあります。 「左様でございます」を使うことで、相手が言った内容を丁寧に受け止めている姿勢を示し、礼儀正しくスムーズなやり取りを行うことができるわけです。


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なぜビジネスシーンで使われるのか

相手の意見を丁寧に肯定するため

「左様でございます」は、上司・先輩・顧客など、敬意を払うべき相手の話を「そのとおりだ」と受け止める表現として機能します。 「そうですね」や「分かりました」と言うよりも、やや堅めで改まった響きを持ち、ビジネス上の接遇やフォーマルな対応で重宝されるわけです。 特に対面での接客や顧客対応においては、相手に敬意を示す言葉選びが欠かせず、その一環として「左様でございます」を使うシーンがしばしば見られます。

社外・取引先とのコミュニケーションを円滑にするため

取引先や顧客が「こういった希望がある」「こうした条件で進めたい」と提案した際に、ただ「了解しました」ではなく「左様でございます」と返すと、相手に対してより礼儀正しく高い敬語を用いている印象を与えられます。 日本語のビジネスマナーでは、相手を敬う形でやり取りすると、結果的に関係が円滑になりやすいと考えられています。

ビジネスシーンでの使い方

打ち合わせや会話での応答

会議や打ち合わせ中に、相手が意見を述べた際、同意や肯定をする場面で「はい、左様でございます」と用いられるケースがあります。 たとえば、上司やクライアントが「このプロジェクトは次のフェーズに移ります」と言ったときに、「左様でございます。手続きのほう、早速進めさせていただきます」と返答する形です。 こうすることで、「あなたのおっしゃるとおりです。理解しました」という真摯な受け答えを表現します。

接客業・サービス業での会話例

ホテルや飲食店などのスタッフがお客様から何か確認や要望を受けたとき、「左様でございますか」という返し方をすることが多いです。 例えば、お客様が「朝食は7時にお願いしたいんですが」と述べた場合、スタッフが「左様でございますか。承りました。7時にお部屋へお持ちいたします」と続けるイメージです。 相手の言うことを丁寧に受け止める姿勢を際立たせるフレーズとなります。

「左様でございます」を使う際の注意点

過度に頻繁に使いすぎない

「左様でございます」は敬語度が高いため、場面を選ばず乱用すると、逆に不自然な印象を与える可能性があります。 社内や親しい同僚とのやり取りで毎回「左様でございます」と言うと、かえって距離を感じさせてしまうでしょう。 フォーマルな場面や相手が目上の人であるシチュエーションに限って使うのが無難です。

肯定以外の場面では適切でない

「左様でございます」は「そうです」「はい、そのとおりです」という肯定のニュアンスを持ちます。 そのため、相手が疑問形で尋ねているときは、「はい、左様でございますか」とやや回りくどい表現になりかねません。 内容を確認する際には「はい、そうでいらっしゃいますか?」や「そうですか」といった別の表現を使ったほうが自然な場合も多々あります。

「左様でございます」と似た表現との違い

「承知しました」との比較

「承知しました」は「理解した」という意味合いが主体で、相手の要望や内容を受け取った時に用いられる表現です。 一方で「左様でございます」は相手の発言や状態を肯定し、事実や情報を同意する際に使われます。 そのため、内容に対して明確に「はい、そのとおりです」「そうですよ」と認める際には「左様でございます」が適していますが、単に指示や要望を引き受ける場合は「承知しました」のほうがしっくりきます。

「かしこまりました」との比較

「かしこまりました」は「承知しました」や「分かりました」のより丁寧な表現で、主に上位者やお客様からの指示・注文を受け入れる形で用いられる言葉です。 「左様でございます」は、相手の言う内容を「そうなんですね」と肯定・確認する際に向いていますが、「かしこまりました」は「承った指示を責任もって対応します」という受諾を強調するニュアンスがあります。 両者とも敬語が高めの位置づけですが、場面によって微妙に役割が異なるわけです。

類義語・言い換え表現

「そうでございますね」

「そうでございますね」はカジュアルな「そうですね」をさらに丁寧にした表現です。 「左様でございます」に比べて少しだけソフトな響きがあり、相手の意見や情報を穏やかに肯定するときに使いやすいと言えます。 ただし「左様でございます」の方が格式や改まった印象は強いです。

「仰せのとおりでございます」

「仰せのとおりでございます」は、目上の人や敬意を払うべき相手が言った内容を強く肯定する場合に用いられる表現です。 「あなたがおっしゃるとおりです」「まさにそのとおりです」といったニュアンスを、さらに強い敬語で表します。 一般的なビジネスシーンでここまで強い敬語が必要かどうかはケースバイケースですが、相手が非常に重要な取引先や上層部であれば適切かもしれません。

「おっしゃるとおりです」

「おっしゃるとおりです」は比較的広く使える敬語表現で、相手が主張や説明を行った際に「あなたの言うことに完全に同意します」という意味を示す言葉です。 「左様でございます」よりも、もう少しシンプルでストレートなニュアンスを持ち、ビジネスシーンでも日常的に使いやすいのが特徴です。

ビジネスで「左様でございます」を使う例文

1. お客様への接客応対

「はい、左様でございますか。こちらの商品は在庫をお調べいたしますので、少々お待ちくださいませ。 在庫がございましたらすぐに手配させていただきます。」

この場面では、お客様の依頼内容を肯定・受容しつつ、さらに対応策を示す流れとなり、「左様でございますか」で相手のリクエストを礼儀正しく受け止めています。

2. 会議中の上司からの意見に対して

「◯◯部長、先ほどのご提案はコスト削減に大きく寄与すると伺いました。左様でございますね。 では、その方針で具体的な数字をまとめ、次回ミーティングまでにご報告いたします。」

上司の提案内容を「そうなんですね」と再確認した後、行動方針を示す。 「左様でございます」という一言が、単なる「分かりました」ではなく、敬語度の高い受け答えとして機能しています。

使い分けのポイント

相手の立場や場面に合わせる

「左様でございます」は、より丁寧な印象を与えるため、顧客対応や重役クラスの方との会話など、フォーマル度が高い場に使うのが好ましいと言えます。 社内のフランクな場や仲の良い同僚とのやり取りでは、硬すぎる表現として浮いてしまう可能性があるため避けたほうが無難かもしれません。

大げさになりすぎないよう適度に使用

「左様でございます」を多用すると、逆に堅苦しさを演出しすぎ、相手によっては「過剰な敬語」と感じられるリスクもあります。 また、肯定以外に適した表現ではないので、疑問や部分否定をしたいときは別のフレーズを使うなど、状況に応じた言い回しを選ぶことが大切です。


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まとめ

「左様でございます」は、「はい、そうです」という肯定を、最大限丁寧かつ改まった敬語で表現するフレーズです。 ビジネスや接客の場面で、相手の発言や要望を「そのとおりでございますね」と敬意を持って認める際に非常に有用な表現となります。 一方で、場の雰囲気や相手の立場によっては堅苦しすぎたり大げさに感じられることもあるため、過度の乱用は避けるのが無難です。

取引先や上司などに敬意を示しつつ丁寧に肯定したいシチュエーションで効果的に使い、簡単な社内のやりとりやカジュアルな場面では「承知しました」や「分かりました」などより軽めの敬語を使うと、自然なコミュニケーションが実現できるでしょう。

最終的には、「左様でございます」に他の敬語表現を組み合わせ、相手の発言に対してどう行動するかを伝える姿勢を持つことが大切です。 それによって、単なる「はい、そうですね」という受け答えで終わらず、相手からの信頼や安心感を得る結果につながるはずです。

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