北米

2025.01.08 16:00

トランプに3兆円超を提供する中東の富豪、「サジワニ」とは何者か?

2025年1月7日、マー・ア・ラゴで開かれた会見に臨むフセイン・サジワニ(Photo by Scott Olson/Getty Images)

2025年1月7日、マー・ア・ラゴで開かれた会見に臨むフセイン・サジワニ(Photo by Scott Olson/Getty Images)

アラブ首長国連邦(UAE)を拠点とする富豪のフセイン・サジワニは米国時間1月7日、トランプ次期米大統領が同席した記者会見で、米国各地のデータセンターの建設に向けて200億ドル(約3兆1600億円)を投資する計画を発表した。トランプと長年の親交を持つサジワニは、成長著しい米国のテック業界への大規模な投資を通じて、その関係をさらに深めている。
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7日にフロリダ州のマー・ア・ラゴで開かれた会見でトランプは、「この投資は、中西部とサンベルト地域にかけて巨大なデータセンターを新設する事業を支援し、米国をテクノロジーと人工知能(AI)の最先端に置き続けるものだ」と語った。

AIやその他の先進技術を支えるデータセンターの重要性は、生成AIブームの中でますます高まっている。ドバイに本社を置く高級不動産開発会社ダマック・プロパティーズを率いるサジワニは、「市場と機会が許せば、200億ドルを超える額であっても投資したいと」と語った。

トランプによると、サジワニの投資の第一弾は、アリゾナ州やイリノイ州、インディアナ州、ルイジアナ州、ミシガン州、オハイオ州、オクラホマ州、テキサス州におけるデータセンターの建設に注がれるという。
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サジワニは、この日の会見でトランプの大統領選における勝利が、「私と家族にとって素晴らしいニュースだった」と表現し、後のX(旧ツイッター)の投稿で、トランプと共にイノベーションに取り組めることが「光栄だ」と語った。

現在71歳のサジワニの保有資産は、約51億ドル(約8060億円)で、UAEで2番目に裕福な人物とされている。今回の200億ドルの資金をどのように調達するかについての詳細は、彼とトランプのいずれも明らかにしていない。

サジワニは、トランプの1期目の初期にも注目を集めた人物であり、2016年の大晦日にマー・ア・ラゴのパーティーに出席していた。彼が率いるダマックは、2017年2月にドバイでトランプと手を組んだ高級ゴルフコースを立ち上げていた。

ダマックは、世界各地におけるデータセンター計画の主要な資金提供者として台頭しており、インドネシアやマレーシア、タイでのデータセンター開発に30億ドル(約4740億円)と、スペインにおける同種の事業に4億ドル(約600億円)以上を投資している。

トランプは先月、日本のビリオネアである孫正義と共に今回と似た記者会見を行い、孫が米国で主にAIに焦点を当てた1000億ドル(約15兆8000億円)の投資を行なうことを発表した。

サジワニは、今年の新年をマー・ア・ラゴで祝い、1月1日夜にトランプと彼の盟友であるイーロン・マスクらと共に写った写真を自身のSNSに投稿した。

サジワニは、2017年のフォーブスの取材で、「ゴルフをする人であれば、トランプが最高品質のゴルフコースを提供することを理解しているはずだ」と語っていた。しかし、彼はトランプほど熱心なゴルフの愛好家ではなく、その当時はゴルフのレッスンを2回受けただけだと述べていた。


forbes.com 原文

編集=上田裕資

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