北米

2025.01.08 10:00

トランプ長男が関係するVCが「ミサイル関連」防衛テック企業に24億円出資

ファイアーホーク・エアロスペースのウィル・エドワーズCEO(Kimberly White/Getty Images for TechCrunch)

ファイアーホークの別の投資家であるPoint Bridge Capitalは、共和党の価値観に一致する企業にのみ投資する「MAGA ETF」を立ち上げたことで広く知られている。
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「当社の大口の投資家たちは、政治に関して積極的に発言する人々だ」とファイアーホークのCEOのウィル・エドワーズはフォーブスに語った。しかし、彼はまた「当社の出資元の中には、かなり左寄りの考えを持つ人々もいる。私たちはただ、国家や会社のために最善を尽くそうとしているだけだ」と付け加えた。

フォーブスの「30 UNDER 30」に選出された経歴を持つエドワーズは以前、MetKnowというHRソフトウェアのスタートアップを立ち上げたが、現在は閉鎖している。彼は、2019年に科学者であり家族の友人であるロナルド・ジョーンズと共に固体燃料を使用する安価なロケットモーターを開発するためにファイアーホークを設立した。

3Dプリンターを使い、わずか数時間でロケット推進剤を製造

同社の主要なイノベーションは、既存のロケット燃料よりも低コストで迅速な製造が可能な、3Dプリンターを用いた個体ロケット推進剤だ。防衛大手のノースロップ・グラマンやL3ハリス・テクノロジーズなどは、キャスティングと硬化というプロセスでミサイルや宇宙ロケットに使用される推進剤を製造しているが、このプロセスの場合は、完成までに最大2カ月を要している。

ファイアーホークは、投資家向けの説明資料で、市販の3Dプリンターを用いた同社の個体ロケット推進剤はわずか数時間で製造可能であり、20×40フィートのコンテナを設置できる場所であれば、たとえ戦場であっても製造できると主張している。
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同社は、NASAのステニス宇宙センターで初期のロケット試験を完了させた後の2022年に、Star Castle VCが主導したシリーズBラウンドで1800万ドル(約28億5000万円)を調達。さらに、昨年11月にテキサス州西部にテスト施設を確保し、米国政府や他のパートナーとの契約の試験場として使用すると発表している。

エドワーズによるとファイアーホークは、2024年に「7桁台半ば」の収益を生み出しており、すでに締結済みの契約の中には、昨年1月に米陸軍応用研究所と結んだGMLRSロケット砲やジャベリン対戦車兵器、スティンガー対空ミサイル向けの新たなロケットエンジンの開発に向けた試験契約が含まれている。

同社はまた、防衛大手のレイセオンとも提携しており、空軍研究所やNASAともテストを行ったという。「当社は、3Dプリンターで固体推進剤を製造するプロセスにおける業界のスタンダードを確立しようとしている」とエドワーズは語った。

forbes.com 原文

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