これらは、なにもアメリカ人たちがものを粗末に扱っていることを表しているのではない。ここではこの手の、とくにアパレル製品は、数カ月で「着古す」ものなのである。
洗濯機の回転数、「なんでも乾燥機」文化、製品クオリティー、すべてがわが国のそれとは異なる、そして比べてはいけないものなのである。
「もったいない」はどこか懐かしく良い響きであるし、忘れてはならないことであると思う。とくに資源の少ない我々にとっては、大事なキーワードであることは間違いない。反面、消費を伸ばす、経済を回すという観点から論ずれば、「もったいない」は最善のキャッチコピーとは言えないこともまた事実かもしれない。
最近、懇意にしていただいている日本人の経営者が、興味深い話をしてくれていたので、皆様にシェアしたい。
彼らが展開しているサービスは、その業界では80%以上のシェアを誇る、いわゆる独占市場だそうだ。にもかかわらず、彼らの大きな目標の一つは、「自分達のプロダクトやサービスを通じて、日本人の行動変容を促す」ことという。具体的には日本人が苦手とする「あること」について、彼らのソリューションを通して習慣化することを目指しているそうだ。
資本主義社会における会社組織であるので、売上の向上や利益の追求が責務であるはずだが、友人をはじめ役員たちの会話に耳を傾けると、前述した、顧客に対する彼らの働き掛けは、売り上げや利益等の数字よりプライオリティーが高いことが強く感じられた。
収入103万円の壁が目下の話題のようだが、目先の議論をするより、日本人の行動変容、この場合で言えば、消費活動や意識の向上、ひいてはそれを刺激するような政策にも目を向けてほしいと思う。
最後に。今年入学してきた1年生のプレイヤーが興味深いことを言っていた。新しいNikeのスニーカーの話をしている際に、私が「それにしても$200は高いだろ?」とコメントしたことに対して、彼は「Money is boomerang(ブーメラン)」とにやついた。ブーメランは投げれば戻ってくることのメタファーだ。彼はすなわち我々に「お金は使わなきゃ戻ってこないよ」と言いたかったのだろう。
日本ではまだまだ年始商戦が続いているのではないだろうか? 何かを買うのに迷っている人、誰かからそれを止められている人は、この言葉を思い出してみてもいいかもしれない。「Money is boomerang」。


