【重要なお知らせ:当社を装った偽サイトにご注意ください】

ライフスタイル

2025.01.19 15:15

スタンフォード大日本人コーチが見た 米国で猛威ふるう「買い物怪獣」たち

Getty Images

Getty Images

「お笑い怪獣」芸人の後輩達は、明石家さんまさんの事を敬意を込めてそう呼ぶ。この場合の怪獣とは、読んで字の如く「怪しい獣」であり、良い意味で何をしでかすかわからない生き物であり、彼を倒すこと、上回ることは無理に等しい、そんな存在を意味するのだろう。

実はここアメリカにも、倒すことや上回ることが到底できない「怪獣」がいる。「消費怪獣」である。彼らの消費能力、簡単に言えば「物を買う能力」は、我々日本人とは比較にならない。「凄まじい」と表現しても過言ではない。

消費に関して、アメリカの消費怪獣達について、幾つかのエピソードをシェアしたい。

1.空港での話

以下はまだコロナ全盛期、空港で入国の際に必要だった「PCRテスト」の長蛇の列に並んでいる際に知り合ったアメリカ人女性Aさん(10年以上日本在住)との会話である。いろいろな会話があった後に——。

Aさん:「コロナの給付金(アメリカで)もう振り込まれた?」

TK(筆者のニックネーム):「うん、数日前に。しかしアメリカは早い!」

Aさん:「もう長い間(日本に)住んでるからわかるけど、日本の政府や行政に、それは求めないわ」

TK:「周りの友人もそうだけど、アメリカ人は振り込まれたら、すぐ使うよねー笑」

Aさん「違う。アメリカ人はその制度が決まった瞬間に使うんだよ。笑」

2.ZOOMでの話

これもコロナ時代の話。月に数回、知り合いの会社経営者とシリコンバレーのスタートアップや実業家をつないてZOOMミーティングを開催していた。Rさんはお世話になっている女性実業家、アメリカ育ち、ハーフでありトライリンガルであり、今や泣く子も黙る企業の執行役員。

そのZOOMミーティングで、年末商戦の話題になったときの会話が以下である。

TK:「こちらの年末商戦は11月の後半から始まるし、クリスマスも含め、まさに売れ行きは桁違いですよね。アメリカ人はとかく後先を考えないで行動するから、まず買ってしまう」

Rさん「TK、それは違う。アメリカ人はアホでも先のことを考えてないわけでもなく、【optimistic (楽観的)】なんだ。似ているようで、その言葉には大きな違いがある」

たしかに、「なんとかなる、買ってしまえ」という、かならずしも根拠はないが前向きな消費動機は、なんといってもアメリカ人ならでは、と思える。

3.返品率17%!

カリフォルニアに新店舗を出すために転勤してきた有名小売チェーンの社員。新しい店舗を出す約1年間の準備の間、彼からいろいろな情報を共有してもらった。

一番驚いたのは、アメリカの(ECを除く)小売業の返品率。店舗の家賃や光熱費、人件費、顧客単価、いろいろと仮定する数字の中で、返品率の仮定は実に17%。日本のそれが3〜5%と言われているのを考えると、信じられないような数字である。客側は「とにかく先に買う!」売る側は 「(返品)リスクは高くても、まず売る!」という姿勢が見て取れる。

次ページ > Amazonチェック

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事