宇宙

2025.01.07 18:30

金星が東方最大離角となり月とすばる、木星がランデブーする今週の夜空

おうし座に位置する月、プレアデス星団やオリオン座との共演(LottaVess/Getty Images)

おうし座に位置する月、プレアデス星団やオリオン座との共演(LottaVess/Getty Images)

金星は太陽系で地球より内側の軌道を回る内惑星で、太陽の光を全体に浴びた満月と同じ状態の姿を地球上から見ることはできない。その代わり、地球との距離が近づくと、ますます明るく輝き、見かけの直径は大きくなり、一方で形状はどんどん三日月状にやせていく。小型望遠鏡を持っているなら、今後1カ月ほど、日没直後の南西の空で明るさを増す「宵の明星」の見え方の変化を観察してみてほしい。

今週は、月とおうし座のプレアデス星団(すばる)や木星との共演も楽しめる。2025年1月第2週の夜空の見どころを紹介しよう。

1月7日(火):上弦の月

地球から見て月がちょうど半円に光って見える。上弦の月を迎えるころになると、夜空は早い時間帯から月明かりで明るく照らされ、星空の観察は難易度が高くなる。あまり明るくない星座を探すのはやめておこう。今後1週間は月が満ちていき、一晩じゅう空に輝いているので、天体観測旅行の計画を立てるのも満月が過ぎるまで待ったほうがいい。

1月10日(金):月とすばるが接近

半月とプレアデス星団の接近。イタリア・ラクイラにて2024年2月16日撮影(Lorenzo Di Cola/NurPhoto via Getty Images)

半月とプレアデス星団の接近。イタリア・ラクイラにて2024年2月16日撮影(Lorenzo Di Cola/NurPhoto via Getty Images)

おうし座のプレアデス星団、和名「すばる」は、夜空で最も美しい天体のひとつ。明るい7つの星をギリシャ神話に登場する7人姉妹に見立てて、英語では「セブンシスターズ」と呼ばれる。この散開星団の軌道は、天球上における太陽の通り道である黄道(こうどう)に非常に近い。月の軌道である白道(はくどう)は、黄道に対して約5度の傾きを持つため、月とすばるは夜空でたびたびランデブーする。

北米ではこの夜、月がすばるの手前を横切る「すばる食(プレアデス星団食)」が見られる。すばる食は周期的に、約6年間にわたって起きやすい時期が巡ってくる。今はちょうどその時期に当たり、2025年中にも何回か発生する。日本から見られることもあるので楽しみにしておこう。

1月10日(金):金星が東方最大離角

金星の見かけ上の距離が太陽から東に47度離れ、東方最大離角となる。太陽から最も遠くなるということは、夜空に見えている時間が最も長いということだ。日没後に南西の空を見よう。

1月10日(金)~11日(土):月が木星に接近

ふくらみを増した月が、見ごろを迎えた木星と2夜にわたって共演する。木星の右側には、「牡牛の目」の愛称で知られるおうし座の赤色巨星アルデバランが輝いている。プレアデス星団も近くに見える。

1月12日(日):半月状の金星

日没後に南西の空に輝く金星を小型望遠鏡で覗くと、半月のように片側半分だけが光っている姿を観察できる。

地球から見た金星の満ち欠けと見かけの大きさの変化。2004年撮影(SSPL/Getty Images)

地球から見た金星の満ち欠けと見かけの大きさの変化。2004年撮影(SSPL/Getty Images)

今週の天体:プレアデス星団

おうし座のプレアデス星団(すばる)は太陽系に最も近い散開星団であり、肉眼で見ても双眼鏡で眺めても美しい天体だ。

正面から見ると、6個ほどの明るい星が小さなひしゃくの形に並んでいるのがわかる。少し横目で見てみると、ぼんやりとした霞のような光が見えるだろう。これは、約800個の若い青い星が集まってつくりだしている輝きだ。プレアデス星団の星々は、地球から約444光年の距離にある。

プレアデス星団(Shutterstock.com)

プレアデス星団(Shutterstock.com)

forbes.com原文

翻訳・編集=荻原藤緒

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