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2025.01.08 08:00

「身が引き締まる思い」の意味とは?ビジネスシーンでの使い方と類義語・言い換え表現を例文付きで徹底解説

「身が引き締まる思い」の意味とは?

「身が引き締まる思い」とは、「大きな責任や重要な場面に直面し、気の緩みを正して、意識を高める心境」のことを指す表現です。 気が抜けていた状態から、急に自分の立ち位置や任務の重要性を再認識して「もっとしっかりしなくては」と引き締まる感覚を表します。 例えば、新しい役職に就いたり、大きなプロジェクトの担当を任されたりした際、「身が引き締まる思い」という言葉で、「覚悟と緊張感を持って臨む所存です」という意思を、丁寧にアピールできます。

ビジネスでは、試合前のアスリートや、大きなプレゼンを控えたビジネスパーソンなど、プレッシャーのかかる状況や重要な発表の前によく使われる表現です。 緊張だけでなく、「責任の重みを再認識し、やる気や集中力を高めて取り組む」という積極的な決意も同時に示す言葉として受け取られることが多いでしょう。


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なぜ「身が引き締まる思い」を使うのか

責任感・使命感をアピールするため

ビジネスの場では、責任の大きい仕事を任されたり、新プロジェクトのリーダーに抜擢されたりするなど、「負荷がかかる役割」が回ってくる機会があります。 その際、「身が引き締まる思い」と表現することで、「自分はこの状況を重く受け止めており、真剣に取り組むつもりだ」という決意表明として機能します。 単なる「頑張ります」や「努力します」よりも少し重々しい響きがあり、覚悟を感じさせられるのが特徴です。

自分の姿勢を前向きに示すため

大きな責任や難題を抱えても、「身が引き締まる思い」と述べることで、プレッシャーに負けない姿勢や、前向きに挑戦しようとする意欲を示すことができます。 「怖い」「自信がない」という話よりも、「緊張はするがやってやるぞ」というポジティブな雰囲気を醸成し、チームや周囲に好印象を与える表現として効果的です。

ビジネスシーンでの「身が引き締まる思い」の使い方

新任挨拶や就任スピーチでの使用

たとえば、昇進や人事異動で新ポジションに就いたときの挨拶で、「このたび◯◯の役職に就任いたしました。身が引き締まる思いでいっぱいですが、皆様のお力を借りながら、組織の発展に尽力してまいります」と述べる形は典型的です。 単に緊張していると伝えるのではなく、組織や周囲に向けたやる気と責任感をアピールできます。

大きな案件やプロジェクトのスタート時

新製品の開発や大規模プロジェクトのキックオフ時に、「今回のプロジェクトを任され、身が引き締まる思いです。成功に向けて全力を尽くします」という宣言をすると、チームメンバーや上司への意気込みの表明となります。 自分も覚悟ができていることをアピールし、周囲の期待やモチベーションを高める効果が見込めます。

「身が引き締まる思い」を使う際の注意点

具体的な決意や行動を伴わせる

「身が引き締まる思い」という表現はあくまで感情面での表れであり、相手には「それで、具体的にどうするのか?」という疑問が残る可能性があります。 ただ「身が引き締まる思いです」とだけ言って終わらせるのではなく、「具体的な行動計画や目標」「取り組む姿勢」を添えて伝えると説得力が増すでしょう。

大げさな場面を選ばない

実際にはそれほど重大な案件でもないのに、「身が引き締まる思い」と多用すると、かえって周囲から「大げさに言いすぎでは?」と受け取られる恐れがあります。 適切な場面、すなわち本当に責任の重さや重要性を認識する必要がある局面でこそ、この表現を使うと自然に映ります。

「身が引き締まる思い」と似た表現の違い

「身の引き締まるような思い」との比較

「身が引き締まる思い」と「身の引き締まるような思い」は、ほぼ同じニュアンスを持ちますが、後者はやややわらかく、また情景的・感覚的な言い回しです。 前者はビジネス上の硬めのフレーズとして、より正式な場や改まったスピーチで使われやすいかもしれません。

「緊張します」との比較

「緊張します」は、主に自分が不安やプレッシャーを感じている状態を表す言葉です。 「身が引き締まる思い」には、単に緊張するだけでなく、「やる気や責任感を強化し、注意を怠らずに取り組む」という前向きな覚悟が含まれます。 よって、「緊張する」というよりも、もう少し積極的に物事に向き合う姿勢を示したいときに「身が引き締まる思い」が適切です。

類義語・言い換え表現

「気が引き締まる思い」

「気が引き締まる思い」は、「身が引き締まる思い」とほぼ同義ですが、体感的な表現ではなくメンタル面を強調するフレーズとなります。 ビジネス上でも十分使用可能で、特に自分の精神的緊張や決意を言い表すときに自然な言い回しです。

「背筋が伸びる思い」

「背筋が伸びる」は、自身の姿勢を正すような心境を喩えています。 緊張や決意が生じ、より前向きに構えるイメージを打ち出す時に適しており、「身が引き締まる思い」と同じように責任感や重大さを意識させる言い方です。

「改めて身を正す思いです」

「改めて身を正す思いです」と言うと、「初心に戻って自分の態度や行動を律する」「気を引き締め直す」という意味合いが強くなります。 何かしら過去に失敗や甘さがあったときに再起を期す場面などで、この表現を使うと、今後の改善意欲を示せるでしょう。

ビジネスシーンで活用する例文

1. 新任挨拶

「このたび、営業部の課長職に着任させていただくことになりました。 責任の重さを痛感し、身が引き締まる思いでおります。 部下や同僚との協力を大切にしながら、目標達成に向けて全力を尽くしたいと考えておりますので、皆さまのご協力をどうぞよろしくお願いいたします。」

ここでは、「身が引き締まる思い」で、新しい役職に伴う責任を真摯に受け止めていることを示し、周囲の支援を得やすくする効果があります。

2. 大規模プロジェクトへの意気込み

「今回のプロジェクトリーダーに任命され、身が引き締まる思いです。 多くの方の期待に応えられるよう、スケジュール管理とリスク対策を徹底して取り組む所存です。 チーム一丸となって成功へ導きたいと考えておりますので、引き続きご協力をお願いいたします。」

この例文では、リーダー役を引き受けるにあたっての責任感を強調しつつ、「身が引き締まる思い」=「緊張ややる気が高まっている」ことを表現しています。

使い分けのポイント

自分が感じるプレッシャーと前向きな感情をセットで

「身が引き締まる思い」は、内面の緊張や重責への覚悟を表現します。 それを伝える際は、落ち込んだり失敗を恐れる姿勢だけで終わらず、「前向きに挑戦したい」という意志を組み合わせることで、周囲に良い印象を残すことができます。 「身が引き締まる思いです。でも頑張ります」との組み合わせが自然です。

相手への敬意や協力願いを添える

自分の心情として「身が引き締まる思い」と宣言するだけでなく、周囲や相手のサポートを得るためのメッセージを含めると、さらにビジネスコミュニケーションとして成立しやすくなります。 「皆さまの支えをいただきながら、頑張りたい」など、協力体制をアピールすると好印象です。

文化的背景・国際的視点

英語での類似表現

英語における「身が引き締まる思い」を直訳するのは難しいですが、"I feel a great sense of responsibility" や "I’m feeling the weight of this responsibility" といったフレーズが近いニュアンスを持ちます。 あるいは "I'm both excited and humbled to take on this role" のように、ワクワクと緊張の両面を伝える表現も類似した心境を表す方法です。

海外相手にはシンプルさが好まれる

日本語の「身が引き締まる思い」のような、やや感覚的かつ遠回しな言い方は、英語圏では直接的に伝わりにくいことがあります。 英語ではもう少し率直に「私は責任の重大さを感じている」「やる気が漲っているが慎重に進める覚悟だ」という発言が好まれる場合も多いでしょう。 使い分けを意識し、場面や文化圏に合わせた表現を選ぶのが賢明です。


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まとめ

「身が引き締まる思い」は、責任や緊張感を感じつつ、新たな挑戦や任務へのやる気を表すための表現として、ビジネスシーンで重宝されます。 単に「緊張している」「プレッシャーを感じる」という消極的なニュアンスにとどまらず、「心構えを正し、全力で頑張る所存です」という前向きな決意を伝えられるため、上司や取引先、プロジェクトメンバーへの印象を良くする効果があります。

しかし、「身が引き締まる思い」と述べるだけで終わらず、具体的にどのように行動し、どんな対策を取るのかを補足することで、より説得力が高まるでしょう。 また、過度に使いすぎると大仰な印象を与える可能性もあるため、真に重責や自分への期待を感じるタイミングでのみ活用するのがポイントです。

英語圏のパートナーには、"I feel a great sense of responsibility" などシンプルかつ明瞭な表現が好まれる場面も多く、文化的背景に留意して使い分けることも大切です。

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