フレキシブルな就労形態を希望する
働き方は、劇的な進化を遂げた。フレキシブルな就労形態はもはや特権ではなく、多くの社員が期待するものとなった。リモートワークの可能性や、ライフスタイルに合わせた勤務時間の調整は、時間の節約、ストレスの軽減、勤務日の効率アップにつながる。あなたがワークライフバランスを重視しているなら(誰だってそうではないだろうか?)、フレキシブルな勤務時間、在宅勤務オプション、ハイブリッド勤務について、遠慮せず交渉しよう。
多くの企業においてこうした調整は、コスト中立的で、予算調整なしに付与することができるため、給与を上げられない場合にワークライフバランスを改善する方法として最適だ。
専門性の獲得機会に注目する
長期的なキャリアアップは、目下の報酬と同じくらい重要だ。継続的な学習と能力開発は、仕事の満足度とキャリアアップに欠かせない。給与交渉ができないなら、専門性の獲得機会に注目して、企業内で自分の価値を高めることを考えてみよう。会社負担の研修、資格試験、講習、メンター制度があるか尋ねよう。こうしたリソースは、あなたのスキルセットを強化し、将来的な賃金獲得のポテンシャルを高める。
例えば、会社が資格獲得の費用を負担する制度があり、その資格が将来的に、昇進や、新たな役職への就任につながる可能性があるとしよう。その場合、オファーを受けることは将来への投資になる。現在の給与をほんの少し引き上げるよりも、ずっと見返りが大きい。
株式やストックオプションを求める
株式報酬は、とりわけテック企業やスタートアップ企業など、給与には限界があるが将来の成長ポテンシャルが大きい業界で一般的だ。ストックオプションや利益配当は、社員にとって強力な長期的インセンティブになり得る。給与交渉ができない時は、株式やストックオプションを報酬に組み込めないか、尋ねてみてもいいだろう。会社が大きく成長した場合や、将来的に上場した場合、これらは相当な金銭報酬をもたらす。
交渉の際にはこうした要求を、個人としての成功と、会社の長期的目標達成を調和させる手段として位置づけることができる。会社が成長するほど、自分の財産も増えるようにしたい、と位置づけるのだ。
以上のような戦略を考慮する上で、忘れないでほしいのは、仕事のオファーを改善するには、金銭報酬を引き上げる以外にも方法はあるということだ。有給休暇、ボーナス、フレキシブルな就労形態、専門性獲得、株式をカバーした包括的な報酬パッケージは、高い給与を上回るとは言わないまでも、それと同じくらい価値あるものになり得る。重要なのは、自信をもってクリエイティブに交渉にあたり、提示されている条件全体に目を向けることだ。
このように、たとえ給与が固定でも、仕事のオファーを、自分の職業的、個人的目標の達成に貢献するものへと改善することはできる。自分にふさわしい条件を要求することに、遠慮はいらない。あなたとあなたの雇用者がどちらも、最高の条件を実現できたと思える契約こそが最高の契約なのだから。
(forbes.com 原文)