テクノロジー

2025.01.06 11:00

サムスンが「人型ロボット」に本腰、韓国大手レインボーロボティクスの筆頭株主に

yllyso / Shutterstock.com

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韓国のサムスン電子は、コスダック上場企業であるRAINBOW ROBOTICS(レインボーロボティクス)の追加株式を2670億ウォン(約286億8000万円)以上で取得し、同社の最大株主になる計画だ。この動きは、サムスンが人工知能(AI)を用いた人型ロボット分野での地盤を強化するための最新の一手と言える。

ソウルの南、テジョン市を拠点とするレインボーは、12月31日の規制当局への届出で、サムスンが同社の保有株式比率を14.7%から35%に引き上げると発表した。この取引は、政府の承認を経て2月17日に完了する見込みとされる。サムスンは、2023年1月に同社の株式の10.22%を約590億ウォン(約63億4000万円)で初めて取得していた。

レインボーの現在の最大株主は、70歳となる共同創業者の1人で17.37%の株式を保有している。しかし、この取引が予定どおり進めば、共同創業者の持ち分は7.78%に減少し、同社はサムスンの子会社として統合されると声明で述べている。

「当社は、自社のAIおよびソフトウェア技術をレインボーのロボティクス技術と組み合わせることで、先進的なヒューマノイドの開発を加速させる計画だ」とサムスンはいう。

サムスンはまた、この協業を通じてレインボーロボティクスの協働ロボットやデュアルアームモバイルマニピュレーター、自律型移動ロボットを製造および物流の自動化作業に活用する予定だと述べている。これらのロボットは、AIアルゴリズムを通じて作業現場で発生する状況データや環境変数を学習・分析することで、作業効率を大幅に向上させることが可能だとされる。

レインボーは、2011年に韓国の理工系トップ大学である韓国科学技術院(KAIST)の人型ロボット研究センターのチームによって設立。同チームは2005年に韓国初の二足歩行ロボット「Hubo」を開発していた。

韓国では他の大手財閥もロボティクス事業を拡大している。現代自動車は2020年に米国の犬型ロボットメーカーであるボストンダイナミクスの支配株を約8億8000万ドル(約1387億円)でソフトバンクグループから取得していた。ボストンダイナミクスは、昨年10月にトヨタ・リサーチ・インスティテュート(TRI)との提携でのAI駆動型のヒューマノイドロボット開発を発表している。

また、韓国で最も古い財閥とされる斗山グループは昨年、傘下の協働ロボットメーカーのDoosan Roboticsを上場させて、同年の韓国市場における新規株式公開(IPO)としては最大となる3億1200万ドル(約491億円)を調達している。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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