アルコール度数(ABV)/プルーフ
ウイスキーのアルコール度数はさまざまである。ABV(Alcohol By Volume)はアルコールの体積比率を指し、米国で使われるプルーフはABVの2倍の数値で表される。度数が高い(たとえば50%や100プルーフなど)ほど、力強い風味や飲みごたえを感じやすい。一方、標準的な度数である40%前後のウイスキーは、滑らかな飲み口を楽しめる場合が多い。カスクストレングスまたはバレルプルーフ
とくに度数が高いウイスキーの中には、50%以上(100プルーフ以上)に達するものもある。Cask Strength(カスクストレングス)やBarrel Proof(バレルプルーフ)と記載されたウイスキーは、熟成後に水で希釈せずに瓶詰めしているため、アルコール度数が高く、強烈な風味を持ちやすい。少量の水を加えることで味と香りが開き、飲みやすくなることも多い。蒸留所情報
スコットランドのアイラ島産のウイスキーには、その地域特有のスモーキーさやヨード香など、特徴的な風味がある場合が多い。ラベルには蒸留所名が記載されているが、本格的なスコッチを求めるなら「Distilled in Scotland」(スコットランドで蒸留)のような、実際にどこで蒸留されたかを示すラベルを確認するとよい。法律上、スコッチウイスキーはスコットランドで生産・熟成することが定められている。
フィニッシュや樽の種類
ラベルには、どのような樽で熟成や追熟(フィニッシュ)が行われたかが記載されている場合が多い。アメリカンオーク(American Oak)、シェリー樽(Sherry Cask)、ポート樽(Port Cask)など、使われる樽によってウイスキーの香味は大きく変わる。たとえば、シェリー樽はフルーティさや甘みを、ポート樽は甘さや深みを、アメリカンオークはバニラやキャラメルのようなニュアンスをもたらすことが多い。
ボトリングに関する用語
ラベルを読み解くことで、実際に口にする前にある程度の味わいを想像できる。たとえば「スモールバッチ」や「シングルバレル」といった記載があれば、製法や仕上がりの特性を推測しやすい。・スモールバッチ(Small Batch)
比較的少量の仕込みで、細心の注意を払って造られることが多い。特定の風味や品質を追求しやすい製法である。
・シングルバレル(Single Barrel)
ひとつの樽からそのまま瓶詰めされるため、樽ごとの個性が色濃く出る。ボトルごとに微妙な味わいの違いが生まれやすい。
こうした基本的な知識があれば、ラベルを読むのがそれほど難しくなくなる。自分に合うウイスキーを見極め、リッチなバーボンやスパイシーなライ、あるいは滑らかなシングルモルトを選ぶ際にも、最初の一口を飲む前にグラスの中身をより正確にイメージできるようになるだろう。
(forbes.com 原文)