マーケティング

2025.01.07 11:00

大手B2B企業の間で再注目、「プロダクト主導型成長(PLG)」の導入手順

Shutterstock.com

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スタートアップ企業で長く実践されてきた「プロダクト主導型成長(PLG)」戦略は、B2B企業が最も素早く成長するための方法の1つとして注目されている。急速に成長できる可能性もさることながら、PLG戦略における販売コストの低さもまた、非常に魅力的な点だろう。なぜならこの戦略は、当初、個人ユーザーがセルフサービスで購入できるシンプルな製品をターゲットとしていて、事業開発担当者や営業のアウトリーチを必要としないからだ。

もっとも、伝統的な営業主導の企業も落胆する必要はない。顧客の成長フェーズごとにPLGの戦略を取り入れれば、既存の営業活動を補完し、より速く利益率の高い成長を実現できる。以下に、PLGを活用して顧客拡大を促す5つのステップを示す。

ステップ1:ユーザー数を拡大し、市場を形成する

PLGでは、ユーザー自身が製品を広めることで急速なユーザー数の拡大を狙う。無料トライアルを提供し、ユーザー同士のコラボレーション(たとえばチーム内でのJira、企業全体でのSlack、あるいは企業間でのCalendlyなど)によって、利用者が増えるほど価値が高まる仕組みを取り入れるとよい。ユーザーが製品を紹介するとメリットが得られるような紹介プログラムを設計し、ネットワーク効果やバイラル効果による「指数関数的な成長」を市場全体や顧客アカウント内で促進する。

ステップ2:利用頻度の高い企業を「製品起点の有望アカウント」に転換する

複数の企業やセグメント、地域にわたってユーザーが広がってきたら、PLG戦略を採用する企業は、どのアカウントで製品ユーザーが活発に利用しているかを容易に特定できる。一定数のアクティブユーザーがいる企業は、新たな商談のパイプラインとして営業担当がアプローチする価値が高い。これは従来のマーケティング初期プロセスよりもコストが低く、また「製品起点の有望アカウント」は、従来型の見込み客よりも「さらに優良な機会」として評価される。
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翻訳=酒匂寛

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