マーケティング

2025.01.07 11:00

大手B2B企業の間で再注目、「プロダクト主導型成長(PLG)」の導入手順

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ステップ3:プロダクトの利用状況データを活用し、体験を最適化してロイヤルティを高める

迅速に価値をもたらす製品はPLG戦略が成功するための土台であり、あらゆる販売手法における成長と顧客維持を後押しする。製品分析を組み込み、ユーザーがどこでつまずいているかを特定し、目標達成までの時間と手間を最小化できるよう最適化するとよい。この種の利用状況データは、小規模でシンプルなソフトウェアモジュールでも、大規模で複雑なモジュールでも活用可能で、ユーザー体験の向上と継続的なロイヤルティの構築に不可欠だ。

ステップ4:製品内のパーソナライズされたメッセージを活用し、顧客を上位プランへ誘導する

PLGでは、製品そのものが主なマーケティングおよび販売手段となる。ユーザーの具体的な作業内容に合わせてヒントを与えたり、さらに付加価値を生むサービスを提案したりするなど、状況に応じたパーソナライズされたメッセージを作成すると効果的だ。既存のワークフローの文脈で新機能や拡張機能、あるいは上位プランを告知するのも有用である。プレミアム機能のトライアルを提案し、ユーザーが購買拡大前に価値を体験できるようにすると、上位プランへの誘導が行いやすくなる。

ステップ5:プロダクト主導と営業主導を組み合わせ、新たな買い手への展開を図る

PLGの体制を確立したら、従来の営業担当のサポートを得ながら、新たな買い手へ展開することを目指す。営業チームは新たな買い手を発掘し、ユーザーアカウント内で実現できる新たなユースケースを特定する。トライアルや紹介プログラムを活用し、ユーザー同士での情報共有を促すことでクロスセルを図り、PLGの手法を通じてユーザー部門全体への波及効果を狙うのだ。
 
PLGはもともと小規模企業で成功を収めてきたが、近年では多くの大手B2B企業が、市場参入戦略の新たな選択肢として導入を進めている。従来型の営業活動と組み合わせてボトムアップのPLG戦略を実践することが、短期間でスケーラブルな収益成長を実現する最善策であると確認されている。実際、Atlassian、Airtable、Dropbox、Calendly、HubSpotといった企業の成功が、その有効性を証明している。
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forbes.com 原文

翻訳=酒匂寛

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