大学の学費は爆発的に値上がりしている。学費関連の情報を収集しているサイト『エデュケーション・データ・イニシアチブ』によると、大学の授業料は1963年以降197.4%上昇し、2000年からは倍増しているという。このような大幅な値上がりを考えたとき、大学はそれに見合う価値があるのだろうか。
米国の有名企業は必ずしも学位は必要ではないとしている。ウォルマートからアマゾン、アップル、GM(ゼネラル・モーターズ)、バンク・オブ・アメリカ、Uber(ウーバー)、ナイキ、デルタ航空、ターゲットに至るまで、大企業は採用時の学歴に関する条件を緩和している。だが、本当に何か変わったのだろうか。
「残念ながらほとんどの場合、雇用主はこれまでと同じような人材をいまだに採用している」と労働市場の調査会社バーニング・グラス・インスティチュートのマット・シゲルマン代表は言う。適切な会社だけではなく、適切なキャリアを選択することが高給への近道であることが新しいデータで示されている。
米国の労働者の6割超が学位を持っていないが、すべての労働者が収入をできるだけ増やそうとしており、この記事で紹介する職業はチェックする価値がある。採用面接の準備ツールであるFinal Round AI(ファイナルラウンドAI)が求人情報サイトGlassdoor(グラスドア)で分析した高学歴不要で高収入をうたう求人情報のうち、3分の1強(36.18%)が何らかの学位を必要としていることがわかった。求人サイトのIndeed(インディード)、求人投稿プラットフォームのZip Recruiter(ジップ・リクルーター)、米労働統計局の調査で明らかになった学位不要かつ高収入の職業を紹介しよう。
1. パイロット:平均年収17万6000ドル(約2780万円)が期待できる。パイロットとして働くために学位は必要ないが、多くのパイロットは大学に進学するか軍に所属、あるいはその両方だ。副操縦士やフライトエンジニアの平均年収も高い。参考までに、Indeedによると、パイロットの免許取得にかかる費用は5万5000〜10万ドル(約870万〜1580万円)と幅がある。
2. 歯科衛生士:平均年収は16万9000ドル(約2670万円)。
3. 船員:上位20%の年収は15万8000ドル(約2500万円)を超える。だがこの職業は働く場所が限定され、危険を伴う。海に落ちたら最後だ。
4. 診断超音波検査士:平均年収は14万6000ドル(約2300万円)で、米国人の平均年収を144.01%上回る。
5. 技術プログラムマネージャー:Indeedによると、組織のさまざまな種類の技術に関するプロジェクトを監督する職業で、平均年収は13万3848ドル(約2100万円)。
6. 消防署長または警察署長:ZipRecruiterによると、警察・消防署長の平均年収は12万7000~13万3000ドル(約2000〜2100万円)。学位は必要ないが、豊富な経験が求められる。