ドイツとオランダ、ベルギーの3カ国が共同プロジェクトでウクライナに送ったレオパルト1A5は、今年9月上旬時点で58両だった。以後、この戦車をさらに45両ウクライナに送っている。
引き渡しスケジュールは重要だ。旧西ドイツで開発され、乗員4人のレオパルト1A5はウクライナ軍の運用する西側製戦車としては、より新しいドイツ製レオパルト2(104両)、米国製M1エイブラムス(供与表明分を含め80両)、英国製チャレンジャー2(14両)などを上回り、最も数が多くなるものだからだ。
しかも、供与済みのレオパルト2やエイブラムス、チャレンジャー2は、それぞれすでに特定の旅団に配分されている。レオパルト1A5は現状、ウクライナ軍がここ数カ月で新たに編成した十数個の重装備旅団に配備できる唯一の戦車なのだ。ウクライナ軍の機械化旅団には通常、1個戦車大隊が置かれ、その大隊に戦車31両が配備される。
ドイツ政府は23日、ウクライナにレオパルト1A5を新たに15両引き渡したと発表した。ほかに装甲トラックや大砲、防空システム、相当数の弾薬なども送った。ドイツはこれ以前に、2022年2月からロシアの全面侵攻を受けるウクライナに70億ユーロ(約1兆1500億円)近くの軍事援助を提供している。
1980年代に開発されたレオパルト1A5は新しい戦車とは言えないが、ウクライナ軍で使用されている戦車のなかで最も古いものではない。また、重量40t強のレオパルト1A5は、重量60t前後のエイブラムスなどと比べると軽量で軽装甲なものの、信頼性の高い105mm主砲や精確なEMES-18射撃統制システムを備える。
ウクライナ軍はこの戦車に爆発反応装甲ブロックや対ドローンネットを追加して、薄い装甲という最大の弱点をできる限り補う努力をしている。