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2024.12.30 17:00

AIの回答生成プロセスを説明し「信頼して使える」ようにするMaisaの技術

Shutterstock.com

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人工知能(AI)は、多くの顧客にとって信頼性が十分ではないという問題を抱えている。生成AIやLLM(大規模言語モデル)が大いに宣伝されているにも関わらず、多くの企業はそれらの導入を躊躇している。その理由としては、LLMが生成するハルシネーション(幻覚)や、モデルがどのように回答にたどり着いたかをチェックできないブラックボックス問題が挙げられる。

スペインのスタートアップMaisa AI(マイサAI)は、これらの問題に対処できると主張している。同社は、マーク・ザッカーバーグやエリック・シュミット、ジェフ・ベゾスなどのハイテク大手のトップが出資するベンチャーキャピタル(VC)のVillalge Global(ビレッジ・グローバル)を含む投資家から500万ドル(約7億9000万円)を調達している。マイサは、他にNFXやセコイアキャピタルの「セコイア・スカウト・プログラム」などからも出資を受けている。

「多くのAI企業は、自社のモデルを盲目的に信頼するよう企業に求めているが、そのアプローチではうまくいかない。そのような企業のモデルは、データに大きなギャップがある場合でも、最も可能性の高い結果に基づいて回答を出すため、幻覚を排除することができない」と、マイサの共同創業者でCEOのデビッド・ビラロンは話す。

ビラロンは、企業がこれらの欠陥に対する警戒心を高めていると指摘する。アマゾンが最近公表したレポートによると、調査に回答した企業の25%が生成AIのテストを開始しているものの、本番環境で使用しているのは6%に過ぎず、その一部は課題に直面して使用を取りやめたという。

ビラロンと共同創業者のマヌエル・ロメロは、従来のAI企業とは異なるソリューションを開発する目的でマイサを設立した。「我々が他社と根本的に違うのは、AIを使って回答を出していない点にある。我々は、AIを使って、回答を得るためのプロセスを提供している」とビラロンは述べている。

彼は、マイサのアプローチを学校の教師に例え、「数学の先生は、生徒の理解度を測るために、回答だけでなくどのように答えを導き出したか確認したいものだ」と説明した。Vinci KPUと呼ばれるマイサのテクノロジーは、グーグルのGeminiやアンソロピックのClaudeといった既存のLLMを使用して複雑なタスクを実行している。
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編集=上田裕資

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