スペインのスタートアップMaisa AI(マイサAI)は、これらの問題に対処できると主張している。同社は、マーク・ザッカーバーグやエリック・シュミット、ジェフ・ベゾスなどのハイテク大手のトップが出資するベンチャーキャピタル(VC)のVillalge Global(ビレッジ・グローバル)を含む投資家から500万ドル(約7億9000万円)を調達している。マイサは、他にNFXやセコイアキャピタルの「セコイア・スカウト・プログラム」などからも出資を受けている。
「多くのAI企業は、自社のモデルを盲目的に信頼するよう企業に求めているが、そのアプローチではうまくいかない。そのような企業のモデルは、データに大きなギャップがある場合でも、最も可能性の高い結果に基づいて回答を出すため、幻覚を排除することができない」と、マイサの共同創業者でCEOのデビッド・ビラロンは話す。
ビラロンは、企業がこれらの欠陥に対する警戒心を高めていると指摘する。アマゾンが最近公表したレポートによると、調査に回答した企業の25%が生成AIのテストを開始しているものの、本番環境で使用しているのは6%に過ぎず、その一部は課題に直面して使用を取りやめたという。
ビラロンと共同創業者のマヌエル・ロメロは、従来のAI企業とは異なるソリューションを開発する目的でマイサを設立した。「我々が他社と根本的に違うのは、AIを使って回答を出していない点にある。我々は、AIを使って、回答を得るためのプロセスを提供している」とビラロンは述べている。
彼は、マイサのアプローチを学校の教師に例え、「数学の先生は、生徒の理解度を測るために、回答だけでなくどのように答えを導き出したか確認したいものだ」と説明した。Vinci KPUと呼ばれるマイサのテクノロジーは、グーグルのGeminiやアンソロピックのClaudeといった既存のLLMを使用して複雑なタスクを実行している。