50年間にわたる再投資
「私たちの戦略は主に、ビジネスの構築と既存の資産の再投資に向けられている」と語るカウインが率いるコンペティティブは、毎年7500万豪ドル(約72億9000万円)をハングリージャックスに再投資している。「この会社の成功は、50年間にわたる事業への再投資によるものだ」と、彼は強調した。カナダ生まれのカウインは、1968年にシドニーに旅行した際にファストフード店の立ち上げを決意し、母国の30人の投資家から資金を集めて、1969年にパースで初のKFCの店舗を開店。その後、1971年にバーガーキングのフランチャイズ権を取得した。
カウインはその後、2001年の豪ドルの急落の際に、分散投資の重要性に気づいたという。コンペティティブは、それ以降の20年間で北米のさまざまな事業に投資し、国内ではシドニー港のツアー運営会社やメディア企業の株式を一時保有するなど、食品以外の事業にも拡大。これらの取引の一部で、数億ドルの利益を得たという。
カウインは、2013年にKFCフランチャイズを5600万豪ドル(約54億4000万円)で売却したが、それ以来、新たなファストフード企業の買収を考えていないと述べている。「私は、現在のポジションが最良だと考えており、新たなブランドを取得するより、既存の事業を拡大するほうがリターンが大きいと考えている」
現在82歳のカウインはまた、上場にも関心がなく、配当よりも現金を手元に残して拡大に備える方針だ。「ビジネスで最も重要なことは、問題が起きても倒産しないようにすることだ。私の事業におけるルールの第一は破産しないことだ」と彼は語った。
(forbes.com 原文)