HURの公式ウェブサイトに23日に掲載された報告によれば、倉庫にはシャヘド400機分の部品が保管されており、そのすべてが焼失したという。これはHURがこの件に関して詳細な情報を持っていることを示唆する。
報告では、焼失した部品にサーマルイメージングカメラ(赤外線を検知し、温度差を可視化して画像表示するカメラ)が含まれていたことにも言及している。シャヘドにサーマルイメージングカメラが搭載されていることはこれまで知られていなかった。シャヘドについては衛星通信サービス「Starlink(スターリンク)」の端末が搭載されたものがあることがすでに明らかになっており、これとサーマルイメージングカメラを組み合わせることで、ロシアはより高性能で危険なバージョンのシャヘドを開発した可能性がある。
拡大する国内生産
シャヘド136はイランが開発した使い捨て攻撃ドローンで、翼幅は2.5mほどあり、約50kgの弾頭を積んで950km超航続できる(航続距離は最大で2500kmに達するとも言われるが根拠はない)。ピストンエンジンでプロペラを回して推力を生み出すので巡航速度は時速185kmほどにとどまり、その音から「モペッド(原付き)」や「芝刈り機」とも呼ばれている。ロシアは当初シャヘドをイランから輸入していたが、徐々に国内での組み立て、さらには生産を進めるようになった。西部タタールスタン共和国エラブガ(タタール語・アラブガ)に新設した巨大な工場で、地元の学生や、奇妙な話だが、サービス業の仕事があると騙されて出稼ぎに来たアフリカの女性など、安価な労働力を用いて製造している。