ウォーク主義が招いた「停滞」
シリコンバレーは長年、自由貿易や移民の受け入れ、社会正義の推進といった進歩的でウォークな理想の上に築かれてきた。しかし近年、一部のリーダーたちはこれらの理想が、イノベーションを停滞させ、ビジネスを妨げ、米国の繁栄を制限していると主張するようになった。「2010年代から2024年まで、ウォーク主義はクールなことだった。しかし、2025年からは、ウォークに抵抗することがクールになるだろう」とアンドリーセンは先日のX(旧ツイッター)の投稿で宣言した。
アンドリーセンはまた、2023年に発表した5000語の声明「The Techno-Optimist Manifesto(テクノ・オプティミスト宣言)」の中で、「テクノロジーは、未知の力に対する暴力的な攻撃でなければならない」と述べていた。かつては民主党支持者だった彼は、ここ数年で右派に転じ、今年の大統領選ではトランプを公然と支持していた。
ニュー・ファウンディングのVC部門の責任者であるサンティアゴ・プリエゴは、イーロン・マスクによるツイッターの買収を「社会を変革する最初の大きな一歩」に位置づけ、「多くの人々が変化が起きていると感じている」と語っていた。
根底に流れる「過激思想」
ニュー・ファウンディングを率いるフィッシャーは、LinkedInの情報によるとハーバード大学法科大学院を2010年に卒業し、シンクタンクのクレアモント研究所や Society for American Civil Renewal(アメリカ市民再生協会)といった保守的な団体で活発に活動している。また、若いリーダーたちを育成し、現在の米国の支配層に代わる「新しい米国の体制」を構築することを目指す男性限定のキリスト教友愛組織にも参加している。フォーブスの電話インタビューに応じたフィッシャーは、ニュー・ファウンディングの組織を3つの社会グループに基づいて構築していると説明した。そこには、トランプ支持者のような「新たな右派のグループ」と、グーグルやメタのウォーク文化と戦う「ハイテク業界の反体制派」、さらに、より積極的な政治的ビジョンに焦点を当てる「キリスト教右派」が含まれているという。