ボットの「ブロック機能」も提供
AI企業は、TollBitのプラットフォーム経由でパブリッシャーのアーカイブにアクセスできる。彼らは、パブリッシャーが権利を持たないコンテンツやライセンスを希望しないコンテンツを除外することが可能だ。TollBitはまた、メディア企業に対してボットがサイトをどの程度スクレイピングしているかについてのデータを提供し、ボットを自動的に別ページに誘導してアクセス権がないことを警告する「ボットペイウォール」を設置する。「私たちは、マシンとマシンの間のやり取りを人間を介さずに容易にする必要があります」とTollBitを2023年に共同創業したCEOのトシット・パニグラヒはフォーブスに語った。
この分野への投資家の関心は、まだ比較的小規模だが、TollBitは、ライトスピード・ベンチャー・パートナーズを含む投資家から約3000万ドル(約47億円)を調達している。一方、ProRataも先月、2500万ドルのシリーズAラウンドを完了した。
パブリッシャーは、このようなテクノロジーの必要性を明確に感じている。Adweekの戦略および運営責任者であるマイク・ベイマンは、TollBitが数百のパブリッシャーと個別契約を結ぶ余裕を持たないAI企業たちに、同社のコンテンツを利用しやすくすることを期待していると語った。
「当社のゴールは、当社と協力しようとするパートナーができるだけ少ない障壁で当社のコンテンツにアクセスし、公正で合意可能な形の補償を行えるようにすることです」とベイマンは語った。
しかし、AIモデルの訓練に使用されるコンテンツに価格を付けることは困難で複雑な作業だ。ファストカンパニーやIncなどのメディアで知られるパブリッシャーのMansueto Ventures(マンスエト・ベンチャーズ)の副社長のパトリック・ハイノーは、「記事がどれだけの独自性や最新性を持っているかといった要素も価格設定プロセスで考慮すべきだ」と述べている。「価格の設定は最良の場合でも難しい取り組みであり、この新しい世界では多くの試行錯誤が必要になるだろう」と彼はフォーブスに語った。