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2025.01.07 08:00

1月7日は「七草の日」春の息吹を感じる季節の習わしを見直す大切な記念日

「七草の日」の意味とは?

「七草の日」の由来と背景

「七草の日」は、年始めに旬の野草を食べることで無病息災を祈る風習にちなみ、一年の健康を願う特別な日として広く認知されています。特に1月7日に、七草粥(ななくさがゆ)を作り家族でいただく習慣は、日本の正月行事の中でも独特なもの。古くは中国から伝わった養生法や陰陽五行の考え方と、日本の四季折々の食文化が融合し、江戸時代以降に庶民の間にも広まっていったとされています。

この記念日は、新しい年が始まったあと、少し落ち着いてきた時期に体を労わり、野菜不足を補う意味合いでも見直されています。年末年始のごちそう続きで疲れた胃腸を、七草の爽やかな苦みや香りで癒やすという知恵は、現代の食生活においても再評価されつつあるのです。

なぜ1月7日が「七草の日」なのか?

もともと日本には、五節句の一つとして「人日(じんじつ)の節句)」が1月7日に定められていました。平安時代から続くこの行事では、七草が入った粥を食べることで邪気を払うと同時に、野草がもつ生命力を取り入れて健康を保つことが願われてきました。

「七草の日」は、この「人日の節句」の行事と結び付いた形で成立しており、単なる日付の区切り以上に、深い歴史的背景を持つ行事としての意味を帯びています。 なお、「七草の日」としての言い方は比較的現代になってから広く知られるようになったとされ、都市部のスーパーや八百屋で「七草セット」が販売されるなど、商業的にも定着したことで、より多くの人にこの日に七草粥を食べる習慣が認知されるようになりました。


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「七草」の内訳と特徴

七草の構成とそれぞれの効能

「七草」とは、一般に以下の七種の野草を指します。

  • セリ
  • ナズナ
  • ゴギョウ(ハハコグサ)
  • ハコベラ(ハコベ)
  • ホトケノザ
  • スズナ(かぶ)
  • スズシロ(大根)


これらは冬場に芽吹く野草や根菜が主であり、それぞれに特徴的な香りや苦み、栄養成分をもっています。たとえば、セリやナズナにはビタミンやミネラルが豊富に含まれ、ゴギョウは気管支の健康に、ハコベラは殺菌作用や利尿効果が期待されるなど、古くから薬草的な役割を持ってきました。

かぶや大根といった根菜は、消化を助けたり身体を温めたりする働きがあるとされています。 このように、一品ずつが異なる効能を持つ野草たちが一つの鍋に入り、その複合的な栄養と風味を楽しむのが七草粥の醍醐味です。単に健康に良いだけでなく、サクサクとした歯ざわりや青々とした香りが食卓を春の気配へと誘うともいわれています。

地域差とカスタムについて

地域によっては七草の構成が微妙に異なる場合もあり、気候や土壌の関係で地元で手に入りやすい野草を使うといった習慣も見られます。さらに、味付けや粥の硬さ、だしの取り方など家庭独自のカスタムが加わるため、同じ「七草粥」と言っても千差万別。

これらの多様性こそが、七草粥を囲む文化の面白さと言えるでしょう。店舗で売られている「七草セット」を使うのも手軽で良いですが、機会があれば野草の採取から体験してみるのも興味深いものです。ただし、野草採取には知識と注意が必要なので、詳しい人と一緒に行うのが望ましいです。

「七草の日」を楽しむアイデア

家庭での七草粥づくり

「七草の日」の定番といえば、やはり七草粥作りでしょう。年末年始のごちそう続きで胃腸が疲れがちなこの時期に、やさしい味わいの野草粥を取り入れるのは理にかなった方法と言えます。 作り方はいたってシンプルで、おかゆを炊き上げる間にさっと下茹でして刻んだ七草を投入し、あとは好みの塩や醤油などで薄く味付けするだけ。ここに梅干しや塩昆布を添えると、さらに風味豊かな朝食が完成します。食べることで身体が温まり、野草の清々しい香りが心を落ち着かせてくれます。

子どもや友人と一緒に学ぶイベント

「七草の日」は食の楽しみだけでなく、歴史や伝統を学ぶ機会にもなります。家庭や地域のコミュニティで、小さな勉強会やワークショップを開いてみるのも面白いでしょう。七草の種類や特徴を学んだり、実際に野草を観察する企画をしたりして、子どもたちが自然への興味を深めるきっかけにすることもできます。 また、インターネットやSNSを通じて、他の地域や国の人々と「七草粥」や「冬の野草料理」について情報交換をするのも、新たな発見につながるでしょう。

七草が映す伝統と未来

日本の季節感と年中行事

日本の四季が明確に分かれ、その移ろいの中で豊かな農作物や野草が育つことは、食文化や年中行事の多彩さの大きな要因です。「七草の日」は、その一端として大いに注目すべき行事と言えるでしょう。季節感を大切にする日本のライフスタイルを再確認する意味でも、この記念日を活用する価値が十分にあります。

同時に、気候変動などの影響で季節の境目が曖昧になりつつある現代だからこそ、伝統的な行事を続けることで自然との関わりを再認識し、環境保全や農業の在り方について考えるきっかけになるのではないでしょうか。

新たな食文化との融合

「七草粥」が伝統的な料理として継承される一方で、現代の食文化や国際的な影響を取り入れ、アレンジを加える動きも見られます。例えば、スープやパスタ、リゾットなどの洋風メニューに七草を組み合わせることで、新鮮な味覚が生まれるかもしれません。

こうした融合は、これまでなかった食の可能性を広げ、若い世代にも受け入れられやすい形で伝統行事が続いていく手助けとなるでしょう。日本の伝統と世界の食文化が出会う場所として「七草の日」を考えると、そこにはまだ多くの探索余地があるはずです。


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まとめ

1月7日の「七草の日」は、七草粥に象徴されるように、野草の力や季節の恵みを感じ取る大切な日です。古くからの縁起や健康維持の知恵がつまったこの行事は、現代人にとっても腑に落ちるポイントが多く、年末年始の過食気味の身体をリセットする目的にも適しています。 さらに、「七草の日」は地域や家族、そして国を超えた交流の架け橋にもなり得ます。

各地方で育まれてきた食文化と、グローバルに展開する食のトレンドが出会うことで、新しい発想や楽しみが生まれるでしょう。自然との調和を大切にしながら、文化を受け継いでいく日本独自の取り組みの一例として、改めて「七草の日」を味わい、そしてその背景にある伝統や知恵に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。

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