欧州

2024.12.24 13:00

ウクライナのドローンがロシア南部の空軍基地を攻撃 「疎開」後も執拗にたたく理由

ロシア空軍のSu-25攻撃機。2020年7月、サンクトペテルブルク(JetKat / Shutterstock.com)

ロシア空軍のSu-25攻撃機。2020年7月、サンクトペテルブルク(JetKat / Shutterstock.com)

ロシア南部ロストフ州にあるミルレロボ空軍基地に23日から24日にかけての夜、ウクライナのドローン(無人機)による激しい一斉攻撃があった。ロシア側の砲手が発砲し、闇を赤く染めた。爆発が基地を揺るがした。
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攻撃目標には、150kmかそこら西のウクライナの前線で攻撃作戦を実施するため、いまだにこの空軍基地から出撃している数少ないロシア空軍のSu-25攻撃機が含まれていたのかもしれない。基地の近辺には士官学校もある。
もっとも、具体的な目標はそこまで重要ではない。ウクライナによる縦深打撃の目的は、必ずしも特定の施設や装備の破壊とは限らない。ウクライナの調査分析グループ、フロンテリジェンス・インサイトの創設者であるTatarigamiは「目的はロシアの戦争コストを着実にかさませていくことだ」と説明している。それは、こうした攻撃で恐怖心を植え付けたり、リスクを高めたり、あるいは作戦をやりにくくしたりするといったことを通じてだろう。

実際、効果は上がっている。ウクライナが米国製のATACMS戦術弾道ミサイルや英仏製のストームシャドー/SCALP-EG巡航ミサイル、あるいは国産のさまざまなドローンやロケット、巡航ミサイルといった、より強力な縦深打撃兵器をより多く使用するにつれて、ロシアは航空戦力などを前線からさらに遠ざけるようになっている。
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つい7カ月ほど前、ロシア空軍はウクライナの前線から150kmかそこらの範囲に作戦機を最大305機も置いていた。その後、ウクライナ陸軍が、擲弾ほどの大きさの子弾数百発を広い範囲に撒き散らすATACMSを発射し出すと、ロシア軍は慌ててその多くを避難させ始め、ATACMSの300kmの射程圏からやや離れた地点にある基地に移した。

商業衛星の画像によれば、ミルレロボ空軍基地には昨年、Su-25とSu-30戦闘機が数十機駐機していた。しかし今年秋には、ほんの一握りの数のSu-25しか残っていなかった。
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翻訳・編集=江戸伸禎

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