Z世代が結婚平均年齢になるころ「日本の世帯数は2人未満」に!
折しも、真田広之が長年の苦労の末、道を開き、『SHOGUN将軍』で大成功を収めたばかりだ。メディア芸術の在り方については、制作予算、演劇レベル、制作陣への報酬も海外では桁違いであることを、もう若者たちは知っている。
ところでこのZ世代の彼らが、結婚平均年齢に差し掛かるころには、日本は1世帯が2人未満になる*という。*国立社会保障・人口問題研究所調べ
学生E:「もし一度自分が専業主婦になる選択をしたとしても、そのあと離婚できるくらいの財力・稼ぐ力を身につけられるファーストキャリアにしないといけないと思う」
専業主婦の家庭内における価値は認めつつも、自分は「おひとりさま」になることを現実的に危惧するケースが、とくに女学生には多かったのである。
「なぜイタリアにダ・ヴィンチが生まれたか?」を探る講義に
ところでイタリアは失業率が高く、少子化が問題視され、未婚率も低くない。それでもなぜイタリアの学生たちは、将来に対する不安度がより低く、自分のことを好きでいられるのだろうか。
もともとイタリアは明るい国柄で、芸術性の豊かな土壌があり、ダ・ヴィンチやガリレオなど、オールラウンダーの天才たちを輩出してきた国である。彼らは「好きを仕事にする」ことが上手い。そして「好きなことには妥協しない」国民性でも知られている。自らの能力を活かせるイタリアの若者たちが、どうやってできあがるのか。
イタリア文学者のダンテ・アリギエーリはいう。「思考せよ。理性を持って人生の目的を思考しない者は、生きていないも同然である」。また、我らが文豪・太宰治はいう。
「日常の生活に直接役に立たないような勉強こそ、将来の人格を完成させる」のである。おそらく大学の役割というものは、意識よりも、無意識を変えることにあろう。両文化社会の長所を踏まえ、これから担当する授業で、古代ローマ時代からその背景を掘り起こし、ダ・ヴィンチのような万能のひとが生まれた理由と、若い人たちがその能力を十全に活かせる道の在り方を探っていきたい。
*学生たちの回答は文字数の都合上、一部文章を修正・省略してあります。