Tips

2025.01.02 08:00

「この度は」の意味とは?ビジネスシーンでの使い方と類義語・言い換え表現を例文付きで徹底解説

「この度は」の意味とは?

「この度は」という表現は、現在進行中や直近で起こっている事柄について、改まった場面で述べる際に用いられる敬語表現です。 「度」という言葉が、「今回の機会」を示すニュアンスを持ち、「この度」は「いまこの機会にあたり」「今回」という意味を強調します。 さらに「は」を付けることで「まさに今の事柄について申し上げます」という意識が強まり、ビジネスシーンでは非常にフォーマルで丁寧な印象を与えます。

例えば「この度は弊社の商品をご利用いただき、誠にありがとうございます」などの形で使われることが多く、相手に対して「今の出来事」に対するお礼や謝罪、連絡事項を表す際に便利な言葉です。 相手が取引先や顧客の場合、特に深い敬意を示す表現として用いられ、「この度は」という冒頭があることで受け手は「正式な連絡が来た」という認識をしやすくなります。


advertisement

なぜビジネスで「この度は」を使うのか

改まった場面や正式な通知に適した表現

ビジネスシーンでは、顧客・取引先・上司など目上の人への報告や案内などを行う機会が多々あります。 「この度は」を使うと、「いま起こっている事象に対する正式かつ丁寧な案内」であることを端的に示せます。 特に、新商品のお知らせや契約締結報告、ミスがあった際のお詫びなど、重要度の高い連絡において、改まった書き出しとして用いやすいのが特徴です。

相手への敬意と丁寧さを表すため

「この度は」は、単なる「今回は」「今回の件は」というカジュアルな表現よりも、敬意と配慮をぐっと高めます。 ビジネス場面では相手に敬意を払うことが信頼関係構築の第一歩となるため、こうした表現を使えるかどうかが、その人のビジネスマナーの水準にも関わってくるのです。

ビジネスシーンでの「この度は」の使い方

謝罪やお詫びメール・手紙での導入

トラブルやミスが発生し、相手に迷惑をかけた場合の謝罪では、「この度は○○が発生し、誠に申し訳ございません」と始めるのが定番です。 「この度は」が付くことで、特定の件に対する責任意識が明確になり、相手に対して真摯に向き合っている印象を強く与えられます。

感謝やお祝いを伝える場面

「あけましておめでとうございます」や「貴社のご創立◯周年、おめでとうございます」などに続く文脈で、「この度は○○の機会をいただき、誠にありがとうございます」という形で使うことができます。 「この度は」の後に、今回相手に協力・配慮してもらった具体的内容を添えると、より感謝の思いが伝わりやすくなるでしょう。

「この度は」を使う際の注意点

過度な乱用を避ける

「この度は」という表現は、改まった印象が強いため、あまりにも多用すると逆に文章が堅苦しくなりすぎたり、押し付けがましい印象を与えたりする可能性があります。 シーンに合った頻度で使い、ベストな敬語表現として効率よく活用することが大切です。

後に続く文脈を明確にする

「この度は○○を~」とだけ言われても、「何がどうした」という説明がなければ相手は戸惑います。 「この度は○○に対しまして、○○させていただく運びとなりました」のように、必ず何に関しての話なのか、背景や目的、内容をスムーズに続けましょう。

「この度は」と「今回」はどう違う?

「今回」はややカジュアル、場合によっては砕けた印象

ビジネスシーンで「今回」という言葉は使いやすいものの、必ずしも敬意を示す表現ではありません。 「この度は」が持つ礼儀正しさや改まった感じが薄いため、相手や状況に応じてはインパクト不足・丁寧さに欠けると思われる可能性があります。

「この度は」は正確に特定の出来事を示し、敬意を強調

「今回」よりも、「この度は」の方が大きな行事・イベントや正式な通知など、「特別な出来事」に対する強いフォーマル感をもたせたいときに適した表現となります。 したがって、報告や謝罪などオフィシャルな場面では「この度は○○いたしまして…」と書く方が相応しい場面が多々あります。

類義語・言い換え表現

「このたび」「この機会」

「このたび」は「この度は」とほぼ同じ表現であり、書き言葉としても多く使われます。 「この機会」は、「今回のチャンス・タイミング」を意味し、感謝や報告をする際に「この機会に改めて…」という形で用いることができます。 ただし敬意の度合いや文脈にあわせ、軽い感じを出したいときは「このたび」、かしこまった文章では「この度は」を使い分けるとよいでしょう。

「先般」「先日」「日頃」など状況に応じた切り替え

報告の時期や背景によって、「先般(少し前のこと)」「先日(具体的な日付までは言及せず直近を示す)」「日頃(いつも)」などを組み合わせると、より多様な文脈を表現できます。 「この度は~」と併用し、「先般のお打ち合わせでは~」「先日ご案内した件につきまして~」などとまとめられます。

ビジネスで「この度は」を活用する例

謝罪メール例

件名:謝罪と再発防止策のご報告

本文:

◯◯様

この度は弊社のシステムトラブルにより、多大なるご迷惑をおかけいたしましたこと、深くお詫び申し上げます。

原因調査の結果、サーバー設定の不備が判明し、現在は復旧作業を完了しております。

今後同様の事態を防ぐため、監視体制を強化し、スタッフの教育を徹底してまいります。

引き続きご愛顧いただけますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。

株式会社△△ サポート部 ××

この例では、「この度は」で今回のトラブルを特定しつつ、相手への敬意を欠かさず深い謝意を示しています。

感謝を伝える報告書・お礼状例

「この度は◯◯プロジェクトを円滑に進めるうえで、◯◯様のご尽力に心より感謝申し上げます。 貴社からのご協力がなければ、本案件は予定通りのスケジュールを保てなかったと考えております。 今後とも、さらなる連携を図りながら成果を追求してまいります。」

ここでは、依頼やプロジェクト完了に至った感謝を示す際に「この度は」という言葉で明確にプロジェクト完了が「今回の事象」であると強調しています。

使い分けのポイント

内容の重みと形式度合いを考慮

何気ない進捗報告なら「今回」や「先日」などで十分な場合もあります。 しかし、特に強い謝意や感謝、正式な案内を伝える際には、よりかしこまった雰囲気を持つ「この度は」を使う方が相手に誠意を印象づけられます。

必ずその後に詳細を添える

「この度は○○(事象)に対しまして」と始めたら、続けて「内容・背景」「経緯・理由」「具体的な影響」「今後の対策」などのいずれかをしっかりと伝え、相手が納得できる情報量を提供しましょう。 形式的に「この度は」と述べるだけでは、真意が伝わらない恐れがあります。

文化的背景・国際的視点

英語への置き換え

英語には「この度は」を直訳する表現は存在しません。 同様のニュアンスを伝えたい場合には "Regarding this matter" や "On this occasion"、"We would like to inform you that..." などが近似となります。 ただし、日本語ほどかしこまったニュアンスは出しにくいので、全体の文章で丁寧さを補完する必要があります。

海外向け文書や場面での注意

海外相手には、文化差もあり、「この度は」のような強いフォーマル感を伝えたい場合は、文章全体のトーンで調整すると良いでしょう。 「We sincerely apologize for any inconvenience caused」や「We are deeply grateful for your support」など、シンプルかつ直截的に伝える方が効果的な場合も多いです。


advertisement

まとめ

「この度は」は、ビジネス上の謝罪や感謝、案内の際に「今回の事柄」に対して丁寧かつ正式な印象を与える表現として有効です。 単なる「今回は」よりも敬意が込められ、受け手はフォーマルかつ誠実な姿勢を感じ取れます。 とはいえ、使いすぎや、後続の内容が乏しいと単なる形式的表現と思われるリスクがあるため、注意が必要です。

結局のところ、「この度は」を使う際には、「今回の件がなぜ重要か」「相手にどういった形で影響を与えたり恩恵を受けたりしたのか」をきちんと示したうえで、深い敬意や謝意を表すことが大切です。 英語など外国語の文書では、"On this occasion" や "Regarding this matter" と表現するなど、適宜言語と文化に合わせた対応が求められます。

最終的に、「この度は」を活用することで、改まった場面でのメール・報告書・手紙などに重厚感や信頼性を加え、相手とのコミュニケーションをより良いものにする手助けとなるでしょう。

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事