日本企業・スタートップの展示から目が離せない
CESは毎年ラスベガスで開催されているエレクトロニクスの大きな見本市・展示会だ。2020年からの2年間はコロナ禍の影響を受けてオンラインによるフルデジタル開催にシフトしていたが、2024年から本格的な対面形式の開催に戻った。2024年のイベントではラスベガスのリゾートエリアを中心に約230万平方メートルという大規模な展示エリアが設けられ、わずか4日間に150を超える国や地域から13万5000人以上の参加者を集めた。筆者もイベントを現地で取材しているが、例年よりも日本から多くの来場者が訪れているように見えた。
かつてCESにはコンシューマーエレクトロニクスのイノベーションが集った。近年ではモビリティにIT、ヘルステック、そしてAIなどテーマが急速に様変わりしている。業界のキーパーソンが登壇するカンファレンス・セッションの件数も2024年には250件を超えたが、スピーカーの顔ぶれも多彩だ。
2024年のイベントの印象を振り返ったコミスキー氏は「日本企業の展示が精彩に富んでいた」と振り返る。
「各社の展示には『日本ならでは』といえる発想の豊かさが感じられ、優れた技術を存分に見せつけていた。日本のテクノロジーとサービスはモビリティからAI、ウェアラブルにエンターテインメントまで多岐に渡っているが、それらがひとつの輪になることで高次のエコシステムをつくり出していることも見逃せない。エレクトロニクスの最先端を知りたければ、CESに参加する日本企業の展示を見逃すべきではない」
CESのメイン会場のひとつであるVenetian Expo(ベネチアン・エキスポ)には、世界中から多数のスタートアップが集うエリアがある。2024年、「Eureka Park(エウレカパーク)」と名づけられたそのエリアには1400以上のスタートアップが出展し、1月の肌寒いラスベガスの街を熱気で包んだ。2025年もJETRO(日本貿易振興機構)が率いるJ-Startup/JAPANパビリオンが同会場にブースを構える。コミスキー氏も「CESは誰もがチャンスを掴める場所であることを、日本の実力あるスタートアップが証明してくれるだろう」と期待を寄せている。