ヘルスケア

2024.12.23 17:00

減量薬ゼップバウンドを「無呼吸症候群」の治療薬に承認、米国

Shutterstock.com

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米食品医薬品局(FDA)は12月20日、睡眠時無呼吸症候群の治療薬として製薬会社イーライリリーの「ゼップバウンド」の処方を承認した。この薬剤は昨年、減量薬として承認されていた。

イーライリリーによれば、ゼップバウンドは中程度から重度の閉塞性睡眠時無呼吸症候群および肥満を抱える成人に対して、睡眠の質を改善する目的で処方可能となった。

ゼップバウンドは、2023年11月に過体重または肥満の成人に処方される薬としてFDAの承認を受けていた。リリースによると、ゼップバウンドを服用した成人は平均で約20キログラムの減量に成功し、睡眠中の1時間あたりの呼吸の中断回数が約25回減少したという。

閉塞性睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に上気道が閉塞されることで発生する症状であり、大きないびきや睡眠中の呼吸困難、口の渇き、日中の眠気などの症状が含まれると全米高齢者協議会は報告している。

ゼップバウンドは、食欲を抑制し、血糖値とヘモグロビンA1C値を下げることで食欲を抑える薬剤の一種であるGLP-1受容体作動薬に分類される。この薬剤は、ダイエット薬としてウゴービとサクセンダに続いて3番目に承認され、今年4月にイーライリリーが発表した後期試験で、肥満の成人の睡眠時無呼吸症候群の症状を改善する有望な結果が示された。

米疾病予防管理センター(CDC)は、睡眠時無呼吸症候群が冠動脈疾患や脳卒中、高血圧、不整脈などの心血管疾患のリスクを高める可能性があると警告している。最も一般的で信頼できる治療法は、メイヨークリニックによれば、CPAP(経鼻的持続陽圧呼吸療法)機器を用いてマスクで鼻から気道に圧力をかけた空気を送り込むものだという。ただし、患者がマスクの使用に耐えられない場合には手術などの他の選択肢もある。

イーライリリーの時価総額は約7288億ドル(約114兆円)で、今年のフォーブスが発表した『グローバル2000企業』で174位にランクインし、2025年の『アメリカで最も優れた企業』ランキングでも7位に選ばれている。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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