トランプは、保守系団体のターニング・ポイント・アクションがフェニックスで主催した会議での演説中、「マッキンリー山という名前を取り戻す」と宣言した。この山の名前は、1897年の大統領選で高関税による産業と労働者の保護を唱えて当選を勝ちとった第25代大統領のウィリアム・マッキンリーにちなんで名付けられたもので、トランプは、マッキンリー元大統領が、「非常に成功した実業家で関税の強い支持者だった」と語った。
すべての輸入品の関税を引き上げると約束しているトランプは、2015年にオバマ前大統領が先住民部族に敬意を表してデナリに改名したこの山の名前を、再びマッキンリー山に戻すと以前から公言していた。標高が6190メートルのこの山は、米国および北アメリカ大陸で最も高い山だ。
トランプはまた、この日の演説で、ノースカロライナ州の軍事施設であるフォートリバティー基地の名前を、以前の「フォートブラッグ基地」に戻すよう呼びかけた。この基地の名前は、19世紀の南北戦争で奴隷制を支持した南軍のブラッグ将軍にちなんで名付けられていたが、2020年の白人警察官による黒人暴行死事件で人種差別解消の世論が高まった結果、2023年に改名されていた。
マッキンリー元大統領の関税は、物価の上昇を引き起こしたことで国民から大きな反発を招き、共和党がその後の選挙で多数の議席を失う原因となったと広く信じられている。専門家たちは、トランプが提案する関税の引き上げも経済に悪影響を及ぼし、物価の高騰を招くと考えている。
トランプは、2015年にオバマ元大統領がマッキンリー山の名前をアラスカ先住民の呼び名のデナリに戻した際に、この改名がマッキンリー元大統領の出身地であるオハイオ州への「大きな侮辱だ」と旧ツイッターに投稿していた。
彼は、2016年の大統領選の当選後に、この山の名前をマッキンリー山に戻そうとしたが、アラスカ州出身で共和党上院議員のリサ・マーカウスキーとダン・サリバンらの反発を受けて断念していた。
(forbes.com 原文)