米国にある約530の直営店舗で働く約1万2000人を代表する労組、「スターバックス・ワーカーズ・ユナイテッド(SWU)」は、このデモを「クリスマス前のストライキ」と名付け、24日までの間に日ごとに規模を拡大すると発表した。
従業員らは、スターバックスが「交渉の場で実行可能な賃上げ案を提示せず、数百件に及ぶ未解決の不当労働行為の告発を解決していない」と抗議している。
ニューヨーク・タイムズ(NYT)によると、スターバックスと労組は4月以来、契約の枠組みについて交渉を行っており、数十件の問題については暫定合意に達したが、賃金をめぐって対立している。同社は将来的に年1.5%の昇給を保証する経済パッケージを提案したが、ここには即時の昇給が含まれていないという。
一方、労組側は、20ドルの最低賃金や5%の年次昇給に加えて、有給休暇や医療保険などの改善を求めている。スターバックス広報担当者のアンドリュー・トゥルは、NYTの取材に対し、労組側が先日の交渉を「途中で打ち切った」と述べている。SWUは17日に、加入者の98%がストライキの実施を承認したと発表した。
米国スターバックスの全1万6500店舗のうち、組合を持つ店舗の割合は約3%とされている。
SWUは、2021年にニューヨーク州バッファローの店舗で結成され、その後、近隣の店舗に広がり、翌年3月までに150店舗以上に拡大。現在では、537店舗で働く約1万2000人の労働者が加入している。スターバックスは、組合化の取り組みに反発し、組合つぶしを行ったとして非難されてきたが、今年2月に労組と協定を結ぶための「基盤的枠組み」の交渉を開始することに同意した。
同社の前CEOであるラクシュマン・ナラシムハンは8月に辞任し、9月にチポトレのCEOを務めていたブライアン・ニコルが新たなCEOに任命された。この人事は、スターバックスの売上が低迷する中で、物言う投資家のエリオット・インベストメント・マネジメントらが、同社株を取得する中で行われた。ナラシムハンは、2022年に創業者のハワード・シュルツから暫定CEOを引き継いでいた。
(forbes.com 原文)