この急落は、ビットコイン以外の暗号資産にも波及し、全体の時価総額が3兆2000億ドル(約500兆円)の暗号資産市場から約5000億ドル(約78兆2000億円)が消失した。
ビットコインの価格は20日に、過去24時間で約10%の下落を記録したが、イーサリアムやソラナ、ドージコインなどの規模の小さな暗号資産は15%から25%というさらに大きな下落を記録した。
これは、FRBのパウエル議長が18日に、来年の利下げの回数がこれまでの4回の想定から2回に減る見通しを示したことで、投資家を失望させたためだった。
しかし、ビットコインの価格はその後は反発し、21日に一時9万9000ドル台にまで回復した。これは、米商務省が20日に発表した11月の個人消費支出(PCE)指数が、市場予想の2.5%を下回る前年比2.4%の上昇に留まったことを受けてのものだ。
商務省のデータでインフレの抑制が示唆されたことにより、イーサリアムやリップル、ドージコインなどの他の主要な暗号資産も反発し、市場全体で約3000億ドル(約46兆9400億円)の価値を取り戻した。
そんな中、ビットコインの強気派で知られるアーク・インベストメント・マネジメント創業者のキャシー・ウッドは、以前からの強気の予測を繰り返し、「2030年までにビットコインの価格が100万ドルを超える」とブルームバーグに語った。これが実現すれば、ビットコインの時価総額は約20兆ドル(約3130兆円)に上昇する。
「ビットコインは、金よりも希少性を増している」とウッドは述べている。「金とビットコインの違いは、金の場合は、価格が上昇すれば生産量も増えることだ。しかし、ビットコインではそれは起こり得ない」と彼女は指摘した。
さらなる乱高下の可能性
一方、市場関係者からは、今後の数週間でビットコインと暗号資産の市場は荒れる可能性があるとの見方が上がっている。「ビットコインの第一のルールは、常に変動が激しいということだ」と、ユニティ・ウォレットCOOのジェームズ・トレダノはフォーブスにEメールでコメントした。