しかし先週、ウクライナ東部の要塞都市ポクロウシク郊外であったピックアップトラックやセダンによる突撃は、ひとつの転換点になったのかもしれない。ロシア軍による大規模な突撃で、使われた車両すべてが民生用だった最初期の事例のひとつだった可能性があるからだ。
ロシアにとって不吉な動向なのは確かだが、必ずしも決定的な出来事ではない。
ウクライナ軍のドローン(無人機)が上空から監視するなか、トラックや乗用車少なくとも7台に乗り込んだロシア軍の小隊もしくは中隊規模の部隊が、ポクロウシク郊外のウクライナ軍陣地に向けて突進してきた。うち1台は赤い旗を掲げていた。
結果には誰も驚かないだろう。ロシア軍の最も優秀な装甲車ですら、ポクロウシク周辺の砲弾が頻繁に撃ち込まれ、地雷だらけで、ドローンが飛び交う戦場では脆弱なのだ。ロシア軍の最も貧弱な非装甲車はさらに脆弱なのは言うまでもない。
In the Pokrovsk area Russia attacked Ukrainian positions in a column consisting of only civilian/unarmored vehicles full of terrorists and the Soviet flag waving. They died en mass. "Second greatest army".
— Kvist (@kvistp) December 22, 2024
With a comment from a Russian mil-blogger added😁 pic.twitter.com/HipT99zt76
ロシアによるウクライナに対する全面戦争が4年目に入ろうとするなか、ポクロウシクの占領はロシアにとって主要な目的のひとつになっている。今年2月、弾薬不足に陥っていたウクライナ軍守備隊をドネツク州アウジーウカから排除して以来、ロシア軍の大軍はそこから60kmほど西のポクロウシクに向けて徐々に前進してきた。
計3個の猟兵旅団と空挺旅団を主力とするウクライナ軍のポクロウシク守備隊は、計8〜9個の旅団と連隊で構成されるロシア軍の野戦軍に対して兵員数で大きく劣っている。それでも、ウクライナ側は土地と引き換えに時間を稼いだり機会を得たりしながら、ロシア側に損害をかさませてきた。ポクロウシク方面でロシア軍の車両の損害はこれまでに2000両ほどにのぼっており、対するウクライナ軍の車両の損害は500両ほどにとどまっている。